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読書日記787

       小坂井敏晶『増補 責任という虚構』ちくま学芸文庫(2020)

■株式会社筑摩書房

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つづきをよみすすめた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/06/20/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98786/

  

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日記

アイヒマン実験、ホロコースト再考の観点から責任転嫁が分業によって誘発されるリスクについての検討がなされた。

個人的に、アイヒマン実験は被験者の心理的負担が小さいことから、この実験から得られた知見にはさほど有効性が無いと考えていた。

しかしながら、ホロコーストの構造分析おいて、ヒムラーが現場の親衛隊が心理的にダメージを受けていることを鑑みて、結果的にガス室というシステムを導入することで彼らの心理的負荷を排除したことが語られた。

どれだけ心理的に負荷がかかろうが、任務として遂行する人間が大勢いた事実から、責任転嫁と心理状態はそれほど相関性は無いと私は解釈した。

・・・

この先は責任転嫁の原理を詳しく論じられるであろうが、ここで思うのは個人の倫理観である。

極論としては、倫理について限界まで考え抜いた経験がある人間、例えばソクラテスのような賢人であれば、虐殺に荷担するよりも任務を拒絶し、自ら殺される立場にまわる可能性が高い。

その意味ではやはり無知かどうかが決定打になると思われるが、まずは小坂井氏の考察に注目したい。

公開日2022/10/29

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