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新・読書日記83

      ポール・オースター『ブルックリン・フォリーズ』新潮文庫(2020)

■株式会社新潮社

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       ショーペンハウアー『ショーペンハウアー随筆録』白水社(2023)

■株式会社白水社

公式HP:https://www.hakusuisha.co.jp/

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         ニーチェ『権力への意志 下』ちくま学芸文庫(1993)

■株式会社筑摩書房

公式HP:https://www.chikumashobo.co.jp/

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+数冊

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メモ

 

“カントはこう言っている。「ヴェリ伯のつぎの命題(『快と苦の本性について』、一七八一)を私は確信もって是認する。すなわち、<人間の唯一の原動力は苦なり。苦はすべての快に先行す。快は積極的なるものにあらず>」。” P222

 

”苦痛は快とは何か異なったものであるが、―――私の言おうとするのは、苦痛は快の反対ではないということである。” P222

  

“快と不快とは付帯事項であって、いかなる原因でもない。それらは、或る支配的価値から導出されるにすぎない第二級の付加価値である、―――感情の形式をかりて語っている「有用」「有害」ということであり、したがって絶対に一時的な依存的なものである。(・・・)私はこのような感受性のペシミズムを軽蔑する。”P235

  

感受性ペシミズム・・・世の中は総じて快楽よりも苦痛のほうが多いので、世界は存在しないほうがマシだという考え

 

『自分の中に孤独を抱け』

“こんな、必要であるような、まったく不必要でもあるような悩み、それこそ人間的だ。文学でも、絵でも、あらゆる人間の精神活動はその複雑な矛盾の上に成り立っている。” P103

  

池田晶子「ボーヴォワール、シモーヌ・ヴェイユ。あれは哲学ではなく社会思想だ」

  

質的に生産されたものは質的(精神)に消費される

量的に生産されたものは量的(物質)に消費される

   

“古典を読む以上に精神を爽快にするものはない。古典のどれか一冊を、たとえ半時間でも手にすると、たちまち精神はさわやかに軽快となり、清められ、高められ、強められることは、ひんやりした岩清水で元気が回復するのと変わらない。”P108

・・・

 

年を重ねると憂鬱なことがどうしても増える。

それを受け入れていくのが大人なのであるが、やはりどうしてもまいってしまう時もある。

その時は静かに池田晶子の本やニーチェの本をゆっくりと読む。

岡本太郎も読む。

すると、だんだんと鼓舞されていく自分というものを感じ始める。

今日はカフェに行けるかもしれない。

 

そうやって、なんとか外へ出る力を得ていく。これはショーペンハウアーの言葉通りだと自分は思う。

物質的なものも限界がある。

イチローは毎日ユンケルを飲んでいるが、ユンケルはあくまで物質的なものなので、メンタルが落ちていたら効果も半減するかもしれない。

そもそも、何をもって「元気」とみなすのか。そこも曖昧である。なぜなら、元気という言葉自体が非常に主観的なものだからである。したがって定量不可能な概念である。

 

・・・

今日はポール・オースターの小説がしっくりきた。

なぜなのかは分からない。ただ、今日のような気分にはなぜか合う。

オースターといえば『幽霊たち』を読んだあの頃のことを思い出す。

オースターは非常に独創的な作家だと自分は思う。引き込まれる。個人的にはクッツェーよりもオースターだ。

関連図書

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