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読書日記815

  ダニエル・C・デネット『心の進化を解明する バクテリアからバッハへ』青土社(2018)

■株式会社青土社

公式HP:http://www.seidosha.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/seidosha?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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日記

150ページ弱読み進めた。

読んでいるうちに何について語っているのか分からないことが多々あったので戻ってすすむ、戻ってすすむという読み方でなんとか基本的なことを押さえることができたように思う。

・・・

「なぜ意識はあるのか?」

この漠然とし過ぎた問いは不毛である。

デネットはダーウィンの理論を反転させ、目的論の復権を試みる。

つまり、「いかにして生じるか」から「なんのために?」への転換である。

なぜという問いを存在する理由の妥当的根拠をひたすら詰めていくことで、「なんのために?」に対する回答へ近づくことができる。

その発想は現実的でかつ科学的であり、理解できるものがあった。

難しいところは、デネット氏の思考に読者が追い付けるかどうかである。

・・・

蜘蛛や蜂が産み出す幾何学的な巣は、生物の戦略上、そうであるべき根拠があるように見える。

コンピューターが、算数がどういうものか知らなくても計算できるように、生物自身がその存在の根拠を知っている必要はない。

デネット氏はこの例から、デザイナー(創造主)は絶対的に無知であるという奇妙な現象を見出す。

この100ページ以降はこの考えを機械に応用して論じていく。

・・・

まず内容的に難解であったが、発想は面白いと感じた。

存在する理由を、妥当性という観点から突き詰める作業は他にも応用できるように思う。

公開日2022/11/10

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