■株式会社河出書房新社
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日記
(以下、『魔の山』のネタバレ有)
今日はいつも以上に身体が重く、普段の半分程度の読書量であった。
何をするにも気乗りせず、久々に図書館へ行くことにした。
ほぼ毎日書店へ行くと、図書館では品薄の本や絶版になっている本が目立つように感じた。
子供の頃には毛嫌いしていた図書館は、今ではゲームセンターのように楽しい気分にさせてくれる。
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中島氏がニーチェについて語る。
ニーチェは誤読されるのが相場と決まっているようである。
詳しいことは分からないが、ハイデガーですらもその一人のようである。
「神は死んだ」の厳密な意味は、神というものはもとから無く、それに騙され続けていたことに人々が気づいた、という意味であると中島氏は語る。
また、ついでに、ハイデガーが民主主義と平等主義を拒絶していたことも合わせて理解できた。
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中島氏いわく、
「ロマン主義 ≒ デカダン」 ⇒受動的ニヒリズム
超人⇒能動的ニヒリズム
であり、前者を痛烈に批判していたことを語る。
西部氏は『虚無の構造』において、大衆の覇気が無いことに虚無を感じたことを書いているが、これは受動的なニヒリズムのことだと推察される。
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なぜニーチェが誤読されるのかというと、ニヒリズムの原理を大して知りもせずに「超人」になることだけに焦点が当てられることなのだろう。
紀伊国屋書店で落合陽一氏の本を立ち読みしていたところ、ニーチェの本をよく読んでいることが語られていた。
ニーチェの本は、ほのかに生を肯定するポジティブな側面を匂わせているのだという。
たしかに、シオランのようなペシミズムと比べニヒリズムは、絶望の質が違うように感じた。
「馬鹿ブス貧乏」シリーズでお馴染みの、藤森かよこ氏いわく、シオランは反出生主義者なのだという。
とはいえ中島氏いわく、ニーチェの本は有害であり、有害と感じない限りにおいては現代人はニーチェを誤読しているのかもしれない。
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『魔の山』はナフタという人物が加わり国家や自由、宗教などについて議論が熱くなる。
しかし、幅が広すぎるがゆえに、読み手としては整理がつかない。
ごちゃごちゃしたやりとりであった。
デヴィット・グレーバーが『負債論』で言っていることと似ているような感じがした。
今日はいつもより読書時間が少なかったが考えることは多かったように思う。
公開日2022/11/15