■株式会社青土社
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日記
日本は明治時代において、「西洋の政治制度」と「科学技術を基盤とした資本主義」を一つのパッケージとして取り入れ、急速に発展を遂げた。
つまり、本書に則せば科学というものはイデオロギー(≒民主主義)のような側面を同時に持つわけである。
現代はというと、西洋問わず、世界中に科学技術は普及している。
著者はパッケージが解体されバラ売りされたもの (つまりイデオロギーと科学が分離) として受け入れられているのだろうか、という問題意識で本書がスタートする。
要するに民主主義と科学の関係性を問い直すものとなっている。
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書店に行けばアメリカと反知性主義を問う本が数冊並んでいる。
本書では、トランプ大統領は科学的根拠を無視した政策を掲げていたことが語られる。
いわゆる「ポピュリズム」は、高学歴エリート集団への憎悪を帯びる性質を持っている。
そうした感情をうまく利用したことによってトランプ政権が生まれたという見解は、そこまで間違いではないように思う。
佐藤氏は自身が学者であり、政治的な利害関係のあるなかで科学がどのように政治へと取り込まれていくのかを事実に則しながら語っていく。
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ここでさきほどの本と繋がっていく。
科学的な知識は政治的な色合いをどの程度帯びるのか。
科学は中立であり得るのか。
そもそも科学とは何か。
民主主義と科学はどういう位置関係にあるか。
本書は著者も述べているように、体系的、理論的な本ではないので断片的な情報にとどまってしまうが、望遠鏡すばるの誕生秘話を読む限り(民主主義、多数決は決断を誤らせる)、一概に権力と癒着しているようには思えない。
勿論、倫理的な側面においてある程度の規制、抑圧は必要ではあるが、それが即、専門知に干渉をするものではないということが推察される。
事態は想像以上に複雑であり、民主主義と科学の関係性を解明しようとすることは非常に難題のように感じた。
公開日2022/11/18