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つづきをよみおえた。
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感想
著者が副島隆彦氏の本をよく読んでいる事が伝わったので、佐藤優氏との共著「『「知の巨人」が暴く 世界の常識はウソばかり』ビジネス社 (2022) 」も併せて読んでみた。
佐藤優氏は数多くの本を出している。
好き嫌いは置いて、まず端的にここまで本を出している作家はなかなかいないと思われる。編集者から信頼されている作家だと個人的には認識している。
『私のマルクス』では、日本共産党とマルクス主義者たちの歴史について書かれており、いろいろと勉強になった。
副島氏は形而上学の本質を語る。
形而上と訳したのは間違いだという指摘をしていた。
メタ・フィジカルにおける「メタ」とは、underなのだと副島氏は語る。
メタは土台という意味合いが正しい、という主張は納得できるものがあった。
そのなかで、形而上学を認めなかった立花氏の話が語られた。
その話というのは、佐藤氏が立花隆氏との共著『ぼくらの頭脳の鍛え方』をつくる時のことである。
この本を個人的にも少し読んだが、確かに立花氏はカントの認識論について、認知科学的におかしいと指摘していたことから、ある程度批判的だったことが想起される。
佐藤優氏は、この形而上学に否定的な立花氏とこの本を作ることを途中で放棄しそうになったことを語る。
以上、ここまで基礎的な哲学史に関する話に難なくついていける副島氏は、ある程度信用できるとまずは判断した.
長くなってしまったが、そんな副島氏と佐藤氏の共著は面白いものであった。
この本でもマルクス主義や日本共産党に関する話が展開されていて、二人の知識の幅広さと深さがうかがえた。難しい言葉をやたらに使ったりはしないので読みやすく、非常に勉強になった。
藤森かよこ氏は自分で調べることの大切さを訴える。
本書に答えや結論が少ないのは、おそらく読者に考えさせる時間を与えるためだと感じた。
本書のなかで副島氏の『経済学という人類を不幸にした学問』についていろいろと書いていたので、久しぶりに経済学系の本を読んでみようと思うようになった。
この本はノーベル経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン教授の自己批判文の検討から始まる。
本書は「本の本」という側面を持っているように感じた。
公開日2022/11/29