■株式会社講談社
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続きを読み進めた。
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メモ
テクネー・・・・魂への配慮に基づいた生活全般へのパターン化された工夫
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日記
文学運動の流れを追うために政治的な動向についてもある程度把握したいと思い、読み進めた。
昨日読んだ本で理解できたことは、文学作品は思想的な背景に影響されるということである。
自分は三島由紀夫の文章を参考にしつつ、トーマス・マン『魔の山』のような教養小説が日本に少ないのは西洋と思想的な相違があるからだと理解した。
西部氏によれば、近代とは「模型の流行する時代」とされる。
当然、「日本回帰」や「近代への懐疑」が部分的に言われはしたが、基本的にポジティブな意味で捉えられていたと西部氏は述べている。
西部氏は『虚無の構造』において、日本人の精気のなさについて書いていたが、本書ではその原因を現代社会のロボット化、サイボーグ化としている。
また、それはテクノロジーによるものではあるが、テクノロジーという言葉を遡及すればそれは本来の意味と異なってしまっていると語る。
また、西部氏は、日本人はナショナリズムの大切さに気づいていないと語る。
西部氏は、ナショナリズムとは国家と国際秩序の双方に長期的な安定性をもたらそうとする企て、と定義する。
ナショナリズムと同時に、国家をめぐる構造改革が進歩的であるためには長期的に作用するパブリック・マインド (公徳心) が必要だと訴える。
パブリック・マインドは前回の記事に書いた通り、活力、公正、良識、節度を基盤にして形成される。
保守とは「平衡の知恵」だと西部氏は語る。
改革は全てこの平衡の知恵に依拠しなければならないという思想をここまで確認することができた。
以上、ここまでは西部氏の意見ではあり部分的に主観の領域であるので一概には結論付けできないが、この枠組みでひとまず混乱期の文学運動を捉えてみようとする試みは無駄ではない気がするのである。
公開日2022/12/1