■株式会社中央公論新社
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日記
マクタガートの時間論は観念的で詭弁感は否めないが、考え方には共感できる。
人間は原因と結果を時に転倒させる。
「目標」と「努力」を繋げることは倒錯行為であると個人的にはいまだに思っている。
小林秀雄が語る。マルクス主義の欺瞞は歴史的な結果と原因を転倒させていることにあるのでは、と。
偶然と必然。
歴史は人間がつくるのか、つくったのか。
これをマクタガートの時間論に応用させてみると面白い。
人は因果関係について実は何も分かっていないのではないか。
ここに人間の盲点、バイアス、錯覚が垣間みえる。
小林秀雄はフランス文学を学ぶべくして学んだわけではない。
これも偶然性の問題であり、本人はまわりからフランス語はいいぞ、と言われて勉強したと語っている。
これは三中信宏氏の鉄則に当てはまっている。
人は偶然性に身を委ねることで開くものが必ずあるはずなのである。
また、やりたいと思ったことを突き詰めるべきであることを小林秀雄は語る。
やりたいというのは内的な問題であり、やはり本質は外的ではない。
公開日2022/12/1