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読書日記906

    仲正昌樹『お金に「正しさ」はあるのか』ちくま新書 (2004)

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日記

思想史の専門家による貨幣論。

興味を持ち読んでみることにした。

100ページ弱まで読み進めた。

・・・

貨幣の起源、シェイクスピア『ヴェニスの商人』、ゲーテ『ファウスト』、マルクスの理論などの話と絡めながら、貨幣の存在意義について深い話が語られた。

面白いと思ったことは、需要と供給が繰り返され安定すると、需要が「固定化」されるとマルクスが書いていたことが今日でもハッキリと確認されることであった。

(いますぐ消費するものでなくとも、どうせ消費するという前提で商品を買うことはよくある)

正直なところ、本書は新書という位置付けではあるが考えれば泥沼にハマるほど奥が深い。

(ファウストの解釈など)

また、道徳や政治に関する話とも繋がり、テーマとしては普遍的な話題である。

手段が目的化することはよくあるが、貨幣にも通ずる。

これは本書を読むと、そうならざるを得ない歴史があることが分かる。

戦争レベルの争い事となると、お互いを静め合うためには世界の共通尺度として、貨幣を導入することは利便性が高いことが理解できた。

貨幣に正しさはあるのか、という問いに答える前にまず貨幣の存在意義について考えさせられる前半の読書であった。

公開日2023/1/16

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