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読書日記925

    執行草舟『孤高のリアリズム』講談社エディトリアル (2016)

■株式会社講談社

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日記

1月の中旬頃から本書を少しずつ進めていた。

本書には逆説の精神が垣間みえる。

逆説について私は過去の稚拙な記事のなかで何十回も書き連ねてきた。

執行草舟氏の本は昨年の秋頃から読み始めたが、逆説というものを突き詰めた結果として共感できる素地が自分にはあったように思う。

・・・

「汚い色がきれいなのだ」

そう書いてある。

彼らの思想は奥が深すぎて到底理解には及ばないが、その思想の切れ端くらいは理解できる。

自然的な美と人間的な美は絶対に違うと私は考えている。

前者は幾何学が典型である。

結晶や蜂の巣のように、自然は合理的な形象を与える。

人間はどうだろうか。

アランは魂のことを「肉体を拒むなにものかである」という言葉を残したことを度々執行草舟氏は語る。

負のエネルギーである。

エントロピー増大の法則に抗う「何者か」である。

そこに芸術が輝くフィールドが用意されているのである。

この考え方が岡本太郎と重なる。

「きれいであってはならない」

「うまくあってはならない」

第一級の芸術家は必ずある点で交差するのだろうと感じた。

公開日2023/2/1

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