■有限会社月曜社
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メモ
“自由とは本来性に到達した状態のことである” (『倫理と歴史』P33 )
→しかし、『存在と無』において、本来性について十分に考察されず
“せいぜい脚注のなかで、「頽落した存在の、それ自身による回復」とされているだけである” (『倫理と歴史』P33 )
→サルトルは『存在と無』を書き上げたあとに倫理学の研究に移行
(サルトル)”「本来性は人間の条件、すなわち状況に投げ込まれている存在の条件から出発してしか理解されない」” (『倫理と歴史』P34 )
(サルトル)”「ユダヤ人にとって、本来的であるとは、ユダヤ人としての条件を最後まで生き抜くことであり、非本来的であるとは、その条件を否定したり、横道にそれたりすることである。」” (『倫理と歴史』P34)
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日記
『真文学の夜明け』に衝撃を受けた。
このような本が小説コーナーに置かれていることにまず驚いた。
自分が日々なんとなくモヤモヤしていることを全て代弁してくれているように感じた。
余白の多い、一風変わった構成となっていた為、分厚いながらもいっきに半分ほど読み進めた。
・・・
出版社としては「売れる本」を世に出していきたい心理は当然働く。
また、「直木賞」や「三島由紀夫賞」という類いの「新人賞」は若手の動機付けとなる。
デビューできればお互いにメリットがある。
出版社は次々と新しい書き手を確保でき、定期的に受賞者が現れては話題を呼びこみ、それは「マーケティング」として機能することによって宣伝になり世の読者にリーチする。そして本が売れるサイクルが作られる。新人作家は書くことで生活できると希望を持つことができる。
ところが出版業界は年々厳しさを増しているように見える。
書店は次々に消えていく。最近では東京駅の八重洲ブックセンターとジュンク堂渋谷店が閉店。
著者は、この状況は編集者の傲慢にあると見ていた。
「最高傑作」「必読」「○○賞受賞作」
帯に溢れんばかりの謳い文句。
そして「とりあえず読んでみるか」と読者は手に取る。
ところが、なにか物足りない。文学について、人間について真面目に考える人間は次第に離れていく。
それが今の頽落した出版業界なのである。
本当の文学作品を書こうと思うのであれば、賞のことなど考えてはいけないと著者は言う。
芸術とは本来、非常に激しく、反権威的なエネルギーを秘めている。
飼い慣らすための文学賞。
国家は文学を権力の下においていたいという思惑があると著者は語る。
小説が単なる娯楽作品に成り果てれば、Youtubeや映画、その他の娯楽に流れるのは自明である。
読者を、芸術を舐めきった出版業界はそのしっぺ返しを食らっているまでである。
なるほど、と思わせられた。
著者は偉大な本としてメルヴィル『白鯨』を挙げていた。
執行草舟氏も同じことをYoutubeで述べていた。
久しぶりに魂の入った文章に出会えたことに感謝したい。
公開日2023/4/8