■株式会社幻戯書房
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感想
400ページまでは非常に長い道のりであった。
通勤中の電車や移動中に少しずつ読み進め、おそらく二週間くらいだろうか、読み始めて本日読み終えた。
ハーマン・メルヴィルといえば『白鯨』(岩波文庫など)が有名であるが、少数派でいたい私はこちらを読むことにした。
(以下ネタバレ有)
・・・
ようやく物語が始動しはじめた矢先に上巻が終わってしまった。
それだけに、下巻への期待がやたらと高まる。
ここまで非常に時間がかかってしまった。
映画で例えるならば、ようやく物語の背景、設定や登場人物が可視化され点と点が線で繋がり始める、上映開始から30分後といったところだろう。
偉大な父親には母親が知らない秘密があった。
イザベルと公式に結婚することによってその秘密が母親にバレるとともに「不名誉」と「屈辱」を母親に与えることをさとったピェールは苦悩に苦悩を重ね決意のもと、今までの思い出の数々を焼却し、過去と決別する。
すでに母親とは亀裂が生まれつつあり、これから先は戦いの物語が展開されていくことが想像された。
上巻の感想だけに、あまり有意義なことは書き残せないが、不条理小説の最高峰といっても違和感のない物語を予感させた。
良い意味でその期待を裏切られたいと思った。
公開日2023/4/11