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新・読書日記105

   デイビッド・モントゴメリー (著), アン・ビクレー (著)『土と内臓』築地書館(2016)

■築地書館株式会社

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日記

目に見えない世界について考えていながら、微生物のことについてはあまり考えていなかった。というよりも、しばらくそれに気が付けなかった。微生物について普段全く意識しないせいもあるが、微生物がどれほどの存在意義を人類に与えているのかという想像力が皆無だったからに他ならない。

さっそく読んでみることにした。

  

・・・

まだたったの30ページほどしか読めていないが、驚愕する事実が次々と現れてきた

・生物が庭にやってくる順番(ミミズ⇒クモ⇒甲虫⇒鳥)は生命が進化した順番に等しい(下部、メモ欄に詳細を記載)

・地球上に存在する微生物の総重量は、地球上に存在する生物の総重量の半分を占める

・地球上に存在する微生物の数は、既知の宇宙に存在する星の数を超える

・地球上に存在する微生物を一列につなげるとその長さは1億光年になる

  

リチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』のなかで、動物は遺伝子の乗り物であるとした。

しかしどうなのだろうか。菌の視点からすれば、むしろ人体は菌が住むために存在しているとすら思えてくるほどである。

また、読み進めると、近年の研究から、菌はあらゆる生命の遺伝子を取り込んでいるという、驚異的な能力が判明したと書かれていた。これは非常に驚きであった。訳の分からないくらい突出した能力を備えている菌は、大いに着目すべき存在であることは間違いない。(放射線、高温、低温、乾燥などに対する耐久性も、全生物よりも相対的に高い)

  

・・・

メモ

“このとき私は鶏糞の匂いを知り、アンは植物の生長を促すその力を知った。鶏糞を混ぜ込んだ二面の小さな野菜畑では、トマト、ビート、レタス、バジルが豊作だった。” P9

  

“わが家の庭をよみがえらせるのに五年と少しかかった。” P21

  

“地球上の進化をと同じように、微生物と土壌は、あとに続くもののためにお膳立てをする。生物が庭にやってくる順番は、微生物が菌類から始まり、ミミズ、クモ、甲虫、そして鳥まで、生命が地球上で進化した順番を再現している。” P22

  

“しかし、人間は肉眼で見える自然を重視しがちで、そのため見えない半分の大切さを見過ごしてしまう。初期の動植学者でさえ、分類学の最盛期に微生物を無視していた。” P23

  

バクリオファージ・・・細菌にだけ感染するウィルス

  

セルロース・・・栄養源。しかし動物はセルロースでできた植物質を消化できない。微生物が腸内に存在することによってはじめて栄養を吸収できる

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