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日記
『なぜ少子化は止められないのか』と『ハッピークラシー』はそれぞれ半分ほど読み終えた。
『ハッピークラシー』では、自己啓発と個人主義の親和性について語られた。
とくに個人主義が強いと思われるアメリカでは、夢を掴むことが幸せという、ある種のステレオタイプがあるように見える。
映画『カクテル』を思い出した。
トム・クルーズが演じるブライアンは経営学を学びながらバーでアルバイトを始め、その後独立していくというストーリーであった。ディカプリオ『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』等、夢を叶えにニューヨークへと挑戦しに行くという映画は他にも沢山あるように思う。
著者は、ポジティブ心理学が浸透していくとお互い助け合う「互助」が弱まってしまうことを警鐘する。
また、ポジティブ心理学によって逆説的にうつが増える可能性も指摘された。
人生を計画的に、合理的に、科学的に突き進もうとすればするほど、隠れたリスクを背負おう可能性を自分は感じた。
その矢先に、今日行った本屋では『シンプルで合理的な人生設計』という本が置かれていた。
『ユートピアとしての本屋』を読んで、自分はヘイト本について意識してしまうようになった。
たしかにヘイトらしき本はどこにでも売っている。
例えばコンビニでは成人向けの雑誌が追放されてしまったが、同じ理屈でヘイト本も追放しようと思わないのだろうか。そのように考えてしまった。
というのも、出光佐三の本を読んで、西欧的な考え方には「対立」というものがつきものであって、(マルクスの「階級闘争」など)西欧的な個人主義はポジティブ心理学の力を吸収して幸福を本当に体現できるのか、甚だ疑問である。
対立は少ない方がいい。
その点では『ズートピア』のような、多様性あるなか、なんとか共存社会が成立する社会のほうがまだマシではないか。
いろいろと考えさせられるものであった。
・・・
『なぜ少子化は止められないのか』では様々なデータが持ち出されるわけであるが、データには限界があることも指摘された。
例えば有配偶出生数を見ると30代後半は年々上昇していることから、女性が社会進出することで出生数が増えていることを示唆するデータもある一方で、「結婚したら子供をもつべきだ」と考えるのは男性の方が常に高く、しかし男性は女性にも経済力を求める傾向が年々高まるが女性のそれは横ばいしている等、細かいデータを見れば見るほど解釈の仕方は無数にあることを痛感させられた。
変数が多すぎることによって論理立てて分析することが非常に困難となっている。
その状況のなかで「経済力をつけなければならない」と決めつけ、細かい事情は経済成長で簡単に打ち消せるといった暴論もナンセンスに思われた。
しかしいつまでも議論しているわけにはいかない現実的な問題なので、一人一人の意見をうまく建設的な方向に持っていけるかどうかが問題なようにも思われた。
つづく
公開日2023/5/26