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読書日記1044

      永田希『再読だけが創造的な読書術である』筑摩書房 (2023)

■株式会社筑摩書房

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日記

『再読だけが創造的な読書術である』では、自分も大いに影響を受けている松岡正剛氏の「千夜千冊」にも触れながら、再読することで自分の環境を「再構築」することができる(本書ではテラフォーミングと表現される)ことが語られる。

読書という行為について触れる本はあまりない為、こういったものが本屋に出てくるとつい手が出てしまう。

(似たような本としては、イーザーという文学研究者の『行為としての読書』などがある)

・・・

著者は、数少ない有限な時間のなかで良い本に出会えるには「運」の要素が大きいと見ている。そのため「読み捨て(=一冊一冊をあまり読まない態度)」を「大量に」行うことが大事だと主張する。

これは自分も共感できると感じた。

自分が大学生の頃は経済力も読解力も知識も、なにもかもが足りなかったためBOOK・OFFの100円コーナーで読めそうなものだけを買っていた。

池田晶子『14歳からの哲学』は大学生の頃にはじめて出会ったが、その頃は全く理解できなかったが、社会人になってからはある程度理解できるようになり、その後池田晶子の別の本にあれこれ手を出すようになった。

つまり二回目の「再読」によって、自分のなかで今まで蓄積してきた読書からの「知」を「再構築」できたのだと思われた。

(当時は主に新書からいろいろなことを仕入れていた)

・・・

『時間のおわりまで』はギリギリ、なんとかしがみついて読み進めた。

140ページまで読み進めたが、著者は読者のことを気遣ってくれる。「ここまでがしんどい人は最後の章まで飛んでも大丈夫」と語りかけたり、次の内容を読めばどのようなことを理解できるのかを丁寧に語りかけてくれる。

今日は重力とエントロピーの話が掘り下げられた。

お風呂に入れた入浴剤がなにもせずとも次第に全体に馴染んでいく現象について、分子同士の衝突の観点から説明された。

微視的にはこの原理が働くが、著者はひとつの思考実験を提示し、これが(お風呂の例が)巨視的、つまり太陽クラスまで大きくなればどうなるのかを説明した。

(太陽は地球の約100倍の大きさといわれている)

細かい部分に関してはあまりにも難しかったため、今日分かったことを軽くまとめる。

エントロピーを端的に「拡散」と捉えることは誤りということであった。

今日の宇宙では膨大な惑星や恒星、銀河によって構成されている。

つまりエントロピーの低いところと高いところが遍在している。

それは「重力」の影響であり、惑星の成り立ちを説明するのは科学的にはできるようだが、生物の成り立ちについて説明するのはまだ無理であるということであった。

また、重力は引っぱる力だけではなく「斥力(反発し合う力)」も併せ持つという話からさっぱり理解ができなくなった。

つづく

公開日2023/6/1

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