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日記
最近は何のために本を読むのか、何ために高い本を買うのか、そもそも自分は自由なのか分からなくなってしまう時もあったが、だからといって自分を無意味な娯楽でごまかすようなことはしたくないと思った。
今日はこの本を夢中になって読み続け200ページほど読み進めた。
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教養について聞くとうんざりする人が多いかもしれないが、福田和也は他者への理解に繋がらなければ教養の意味はないと語る。
“「教養」のドイツ語は、BILDUNGSです。これは英語にすれば、BECOMINGということになるのでしょうか。「~に成る」「形成」するという意味ですね。つまりは自分を人間として形成する、自分を自分として作り上げるということです。そして、人間が人間になるということは、すなわち他者を理解できるということ、少なくとも他者を懸命に理解しようとする努力を続ける意志をもっているということになるのです。” P115
一方で、池田晶子は自分と向き合い続けることこそが他者への理解につながることを語った。
ハンナ・アーレントのいう「人間の複数性」というものは、量としての多数ではなく、質、つまり「差異」の複数性ということであって、しかしながら「同一性」をも同時に併せ持つ人間の集団を指すものであった。
「話し合い」というものはこの「同一性」をお互いに信じているから成立するというものであった。そしてこの話し合いが政治の条件であるということであった。
「自らを語る、行うことをすることなしに人間は存在できない」
話し合い、コミュニケーションは難しいが、不毛な議論をしないためには想像力、寛容など、必要なものは多いように思われた。
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堅苦しい教養についてはここまでとして、自分は本書で触れられていたD・H・ロレンスの半生が気になった。
彼は『チャタレー夫人の恋人』などで知られるが、第一次世界大戦によって人生をめちゃくちゃにされてしまった一人であった。そして文明への憎悪をロマンスによって昇華させた。
幻冬舎の創設者、見城徹『読書という荒野』も同じようなことが書かれていて、生に対する枯渇感、死に対する恐怖を紛らわすには恋愛、お酒、仕事くらいしかないといったことが書かれていた。
人類自らが発達させたテクノロジーによって自らが苦しまれていないか。
AIによって仕事が奪われるというのも、大局的に見れば本末転倒だ。
隣人への不信感がマクロにまで発展すると戦争というものになっていくわけであるが、この不信感の根源はなにかということに若干の興味が湧いたが今日は疲れたので寝たい。
公開日2023/6/16