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読書日記1063

         フリードリッヒ・ニーチェ『権力への意志 上』ちくま学芸文庫 (1993)

■株式会社筑摩書房

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日記

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を無性に読みたくなった。

ひとまず今日は、学業に厳しい学校を退学させられ、先生と挨拶する場面まで読み進めた。

自分は、Youtuber銀歯が好きな時期が一時あり、銀歯がサリンジャーについて熱く語っていたこともあってか、急に読みたくなった。どんな物語なのか気になるところである。

・・・

ニーチェは否定ばかりで読んでいて面白くないところもあるが、人間の意志について良いことを書いていると感じたのでメモをとった。

“高級な人間が低級な人間から区別されるのは、恐怖をいだかず、不幸に挑戦する点である。幸福主義的価値尺度が至上のものとみなされはじめるのは、退歩の一徴候である(ーー生理学的倦怠、意志の貧困化ーー)。「浄福」への遠近法をもつキリスト教は、苦悩し貧困化した種類の人間にとっての典型的な思考法である。充実した力は、創造し、苦悩し、没落することをねがう。こうした力にとっては、キリスト教の偽信的な救済は耳ざわりな音楽であり、僧侶的な態度は不快をもよおさしめる。” P225-P226 (『権力への意志 上』)

今日、沖縄では慰霊の日であり、学校などは休みだったそうである。

平和はある日一瞬で壊れるといった主旨のスピーチが自分は気になった。

ニーチェの言葉は的はずれではない。

幸福が至上の価値のものとなれば人間は精神性を失いかねない。

自分は、戦後の高度経済成長は崩壊が加速しきった故に国民が覚醒した結果だと思っている。

宮台氏の「崩壊を加速させよ」は、一旦落ちきらないと日本は再生できないというメッセージだと自分は受け取ったが、ニーチェの言うとおり、不幸に挑戦する意志が日本を復活させる原動力になると感じた。

公開日2023/6/23

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