■株式会社筑摩書房
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つづきをよみすすめた。
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日記
結果的に、仕事を終えたあとずっとこの本と向き合うことになった。
2時間ほど読んでいてもいまいち内容がつかめず、精読に切り替えた。
専門用語は逐一調べ、取りつかれたように本書を読み続けた。
頭が痛くなるような本、という表現があるが、本当に頭が痛くなってしまった。
・・・
読んでいくうちに、生命の起源は創発にヒントがあるという点はわかった。
160ページあたりまでは主に結晶化と自己維持的なメカニズムについて書かれていた。
大学を卒業してからは(いや、正確には受験が終わった日から)化学的な知識がどんどん頭から離れていき、基本的なことすらも忘れてしまっていることに今さらながら気づいてしまった。
本書は物理、化学、生物学に強い人であればもっと面白く読めるかもしれない。
今日の段階では、「相転移は自己触媒的、自己維持的であり、遺伝子なくしても遺伝子のようなふるまいをが自然発生的に起こるメカニズムが分かれば生命の起源について分かるかもしれない」という理解にとどめた。
151ページの印象的な文章をメモした。
“生命が生まれたのは、自己触媒作用を営む物質代謝を形成するために、分子が自発的に集合したときである。このようにわれわれが信じたとしよう。このとき分子的な秩序の源、細胞を振動から保護する基本的な恒常性の源、そして原始細胞のネットワークがわずかなゆらぎに耐えて崩壊せずにいることを可能にした妥協点、こういったものをわれわれは発見しなければならない。ゲノムは存在しないというのに、いかにしてそのような秩序は生じたのであろうか?秩序は、ネットワークの集団的なダイナミクス、すなわち分子の集合の調和的な振る舞いから、何とかして自発的に生まれなければならない。” P151-152
この考え方は突飛なようには思えなかった。
『「生きている」とはどういうことか?』では、脳がなくとも、まるで知性を持っているかのように振る舞う粘菌の知性について書かれていた。
「生きているように見える」という振る舞いが組合わさることによって「生きている」にシフトする可能性については直感的には十分ありそうな気がした。
その憶測は既に生命があるからという結果論からの派生でしかないが、本書は読んでいくうちにもっと新しい発見がありそうである。
つづく
公開日2023/8/15