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読書日記1118

       ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか?』ハヤカワ文庫 (2016)

■株式会社早川書房

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     グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (上) 』岩波文庫 (2023)

■株式会社岩波書店

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つづきをよみすすめた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/07/20/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%981113/

   

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/07/20/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%981117/

   

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日記

深くなれば深くなるほど散在する知は結合していくのではないだろうか。

それは地形が複雑ながらも深く深く地球の中心へ向かうと何処だろうとマントルと呼ばれる地層にたどり着くことに似ている。

「言語に関する本を読んで何の役に立つのか?」

問うてみた。

目の前にあった『言語はこうして生まれる』という本を誰が読むのだろうか。どのような人がどのような理由で読むのだろうか。

「知りたい」から読むのか。「面白そう」だから読むのか。

本棚の目の前に立っているだけで既に言語の不思議さを体験している。

理由には後付けが付き物である。

意味は定まりにくい。

「なぜ○○をしたのか?」

そう自分が選んだからか、もしくはそう強制されたからなのか。

読書をする理由、意味というものは実はひとつには定まらないのではないだろうか。

意味は不定性を持つのではないだろうか。

人間のコミュニケーションに不定性がない類いの意味伝達はそもそも存在するのか。

これは簡単には解けないように思われた。

世の中には絶対的に正しいことなどない、という命題は根強いように思われる。

資本主義は他のどの社会制度よりもいくらかマシであるのか、最善なのか。ベストか。改善の余地はあるか。絶対的に正しいか。確信は持てない。

これが意味の不定性とアナロジーの関係にあるように自分には思われたのであった。

量子力学もパッとしない。まだはっきりと結論が出ない。不確定性と不定性はほぼ同じである。これもまたアナロジーだ。

人間は二分法に拘りがちであることをベイトソンは指摘する。

“本来二元的ではない現象にも二元的パターンを押し当てる傾向が強く、また一般的に言って、三元的システムを組み上げるための文化的受け皿がない。” P216

絶対性の前にまず多様性を問うべきなのだろうか。

たしかにそう言える。

いまだに、人の能力は遺伝子か環境か、どちらが決定的なものか結論は出ていない。

教育格差問題では後者の負の側面が話題になりがちである。

というよりかは、そもそもこの二分的な思考に疑いを持つべきなのだろうか。

環境と遺伝の中間的な、見逃された構造が存在していると考えてみるのは確かに妥当ではある。

しかし、これもまた不定性の範疇にないだろうか。

言語。されど言語。

「言語の本など役に立つはずがない、時間の無駄」

そうだろうか。

そう言う人も思考は言語で埋め尽くされている。

その言語について考えずに言語を使って何を深く考えられるというのだろうか。

虹は文化圏ごとに色数が上下する。これは言語の影響が大きい。認識のパターンは言語に強く影響されていると分かってもなお、言語のことはあまり知る必要がないのだろうか。

染々そのように思ってしまった。

今日の政治的な問題の大半は言語と認識の問題に還元されやしないだろうか。

自分はそう思えてならない。

「露出の多い服装と性被害は関係ない」

このメッセージにはあらゆる意味が込められていると思われる。

まさしく「ダブルバインド」そのものである。

そして混乱するネット。

あれだ。これだ。

まさしくバインド(拘束)されている。

言葉の綾に。言葉による認識パターンから無意識的に付随する認知バイアスに。

そう思えてならない。

公開日2023/8/25

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