■株式会社共和国
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つづきをよみおえた。
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感想
後半は「哲学と演劇」「哲学と芸術」をテーマとして仲正氏の講義が展開された。
プラトン『国家』における「イデア論」と、ソクラテスが「詩=ポイエーシス」に対して持っていた考えについて説明された。
自分は岩波文庫から出ている『国家』を2年前に最後まで読み、加えてプラトン晩年の著書『法律』も読んだ。しかしけっこう内容を忘れていることを実感させられた。
復習としての効果もあったので『哲学JAM』は良い本だなと改めて感じた。
難しすぎず、かといって易しいこともない。一般向けの人文書としてはそのくらいが丁度良いと思っている。
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まずはソクラテスについて。
例えばお笑い芸人のギャグはいろいろな人が真似をする。
ソクラテスはこの「模倣=ミメーシス」が「情動=パトス」に作用し、悪しき風習を生み出すことを危惧したとされる。なのでプラトン『国家』では詩人を追放することが理想国家(=哲人国家)に必要だと語られた。
つぎはイデア論について。
仲正氏は『判断力批判』に書かれているカントの美の定義は、ある程度主観的なものだと語った。仲正氏はプラトンとカントは対照的だと説明する。プラトンは普遍性のある美というものを追求したとされる。
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個人的に本書は赤版よりも内容が濃いように感じた。
本書の後半に語られるニーチェ、アドルノ、ベンヤミンなどの近代的な思想家の話は難しいのでまとめることができない。
例えばベンヤミンは芸術作品を「礼拝価値」と「展示価値」に分け、時代が進むにつれて複製できるようになり「展示価値」が比重を多く占めるようになり、結果市民は知覚能力を自由に駆使できるようになる、とベンヤミンが示唆した件の話を読んでいてもいまいち現実味を感じることはできない。
しかし難しいからこそ芸術は深みがあって面白いのかもしれない。
とはいえ難しく考えることもナンセンスである。
このあたりは古典にもう少し詳しくならないと理解は難しいように感じた。
思想家の語る芸術論がすべてではないが、ベンヤミンは現代にも影響を与えているということなので、彼らの著書は芸術の古典となるのかもしれない。
最後に仲正氏は日本のアイドル文化について少し語った。
K-POPのアイドルは大人らしさが際立ち、日本のアイドルはどこか幼さが際立つ。たしかに言われてみればそうかもしれない。
仲正氏はこの現象の背景について、日本の大人たちはもう成長することに疲れたのかもしれない、と見ていて自分は「たしかに」と納得した。しかしアメリカには日本のようなアイドルがいないことを鑑みれば、少し的はずれかもしれない。
しかし年下の若い女性を好む男性が日本にだけ突出して多いのかと考えてみれば、それも早計な話のように思われた。
美、感性、模倣についてはまだまだ不思議でいっぱいだ。
芸術はやはり面白い。
哲学JAMは白版へとつづく
公開日2023/9/8