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その他数冊
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日記
雨が降っているような、降っていないような微妙な一日だったので一日中本と戯れることにした。
紀伊国屋書店が買い物もしたりと、そこそこ充実した一日であった。
午前中は『人生と運命1』に読み更け、買い物後の帰り道の電車では『名著の予知能力』をじっくり読んだ。100分de名著シリーズのプロデューサーが書いた本ということで、ただの解説書とは違った味が楽しめる内容となっていた。
前半は『ソラリス』の話が印象的であった。惑星自体が知的生命体という設定で、理解不能な出来事との向き合い方について考えさせられるという内容であるらしい。少し興味の持てるSFであった。
次にマルクスと斎藤幸平氏の話にシフトしたが、著者がジル・ドゥルーズを尊敬しているとカミングアウトした時点で読む気が失せてしまった。
・・・
『人生と運命1』は100ページほど読み進めたが、登場人物があまりにも多すぎて内容を把握することは難しい。設定の分からない映画を観ている感覚だが、それでも面白さは後半になればなるほど増してくるだろうと希望を持ちながらだらだらと読んでいきたい。
『名著の予知能力』のなかで作家の高橋源一郎氏がテロリストと絶望の関係について見事な分析をしていた。
テロの根底には絶望が潜んでいる。絶望というものは時間を経て強い怒りに変わる。
自分もそういう体験をしたので共感した。
テロを生まないためには絶望を生み出すメカニズムを削除しなければならない。
それは分かるが、怒りというものはうまくエネルギーを変換させれば芸術家のように(とくに岡本太郎)高い生産性を有することができるのではないかとも思われた。
正直なところ、怒りが全くなく全ての人間が幸福で笑顔で、豊かな社会というものを想像してみると、それはそれで非常に怖いようにも思えた。そうであればドストエフスキーのような文学者も生まれなかっただろうし、人間から矛盾を取り除くとディストピアでしかない。
現実がディストピア化されたとは『文学は予言する』のなかで書かれていたが、一番怖いのは幸福と人間性が等価交換された社会であろう。(HUNTER×HUNTERでいうと、五大厄災、人飼いパプのようなもの)
このような未来は『ホモ・デウス』、『ハッピークラシー』や『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』を読むと非現実的とは思えない。
公開日2023/9/23