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読書日記1151

    J・M・クッツェー『恥辱』ハヤカワ文庫 (2007)

■株式会社早川書房

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日記

『人生と運命』を勢いで200ページ読んだが、読みにくさがネックとなり停止してしまった。とりあえずクッツェーに移行したが、クッツェーは読みやすい。小説は美的要素が重要であるかもしれないが、読みやすさも必要だと染々思う。

『恥辱』は52歳の文系学部教授が離婚後の孤独や欲望に抗えず、様々な女子学生に手を出して転落していく内容となっている。

意外にも全ページの半分ほど読んだところであっさりと職を失い転落してしまった。

このあとの展開が全く読めないという意味では、どう話を持っていくのかに期待。

・・・

アドルノは天才でありながらも、ギナジウムでは数学や物理の点数がそこまで高くなかったということが書かれていた。バートランド・ラッセルやヴィトゲンシュタイン、フレーゲ、ホワイトヘッド、ポパー、ライプニッツと、哲学者はなにかと数学に強いがそうではない者も沢山いるというのが興味深い。

アドルノは学生時代にどういう本を読んでいたのか、本書を読むことでだんだん見えてきた。

主に文学が中心で、思想系ではブロッホの『ユートピアの精神』に夢中であったということが書かれていた。

今、書店ではブロッホに関する本が少ない。

ハンナ・アーレント『暗い時代の人々』で多少触れられていたくらいという印象で、日本ではおそらくマイナーな思想家かもしれない。

今週は仲正昌樹教授がドゥルーズ+ガタリ『千のプラトー』の講義を本にしたものが新刊で出た。

個人としては、見逃されつつあるマイナーな思想家の集中講義を受けてみたい。

公開日2023/9/27

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