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読書日記1163

      カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』光文社古典新訳文庫 (2006)

■株式会社光文社

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日記

『実力も運のうち』を読み終えたあと、古典や歴史を読むべきだという内なる声に従い、ひとまずカントくらいは読もうと感じた。

カントも「本ばかり読んでいないで自分で考えよ」と書いている。自分のことを言われているようでドキッとしてしまった。

自分の頭で考えない人間はカント的には「未成年状態」ということになるらしい。

キケロも似たようなことを書いている。「歴史を知らないのはいつまでも子供でいるということだ」ということを。

とりあえず有り難いことに気温が下がってきたので、自分で考える時間を増やすために散歩を始めなければならない。

・・・

加藤典洋は批評家のなかでもトップクラスという印象を自分は持っていた。

ところが出発点は意外にも不安の塊だったそうである。

加藤典洋は柄谷行人氏の博学ぶりに挫折をしてしまったそうである。

ゲーデル、ヴィトゲンシュタイン、デリダ、ポール・ド・マン、ミシェル・フーコー、ホワイトヘッド、マルクスetc.

全然読んでいない自分は批評する資格するなんてあるのかと、不安で布団で眠れないときを過ごしたという。

それでも、最後にはそれがどうしたと立ち直ってまっすぐに進むことができたという。

このエピソードが非常に印象的であった。

自分の頭で自分だけの言葉で、自分なりのオリジナリティで世の中に堂々と主張してもいいというメッセージは、無名な自分に勇気を与えてくれる。

自分は批評家にはなれないと思っているが、いずれ文章で少しくらい仕事はしたい。

そのために文章に磨きをかけるべく、毎日数千文字を書きつづけている。ブログだけでなくノート、小説の三刀流でやっている。

好きなことなのでなんとかつづいているが時にはしんどいと感じる。

本書には面白いことがいろいろと書かれていて、人は感動したときにそれを伝えたくなるものだ、という誰かの名言が書かれていた。

そして何故感動したのかを表現するのが批評家の役割でもあるという。

読書で感動することは滅多にないが、読書の面白さを間接的に伝えられればいいなと思う読書時間であった。

公開日2023/10/8

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