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つづきをよみすすめた。
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日記
フェミニズム関連の本を読んでいくうちに姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』という本にたどりついた。
プロローグでは、報道を観ただけで短絡的に解釈する風潮、ツイートに対して痛烈に批判が込められている。
自分はこの本が書かれるきっかけとなった事件については全く知らない。
全く知らないので中立的に読めると感じた。これを読んでから実際の報道の内容と比較することで何か掴めるものはないかと思い読んでみることにした。
分厚く、通勤途中や家のなかで過ごしながら少しずつ読んでいきたい。
・・・
『ベンサムの言語論』のつづきを読み進めた。
前回書ききれなかったパラフラシスについてまとめたい。
まずパラフラシスとはどんな方法なのかをメモした。
“その主題としてフィクション的実体以外のものをもたない命題を、ある現実的実体を主題とする命題に変換することによって(ibid : 246)、当該フィクションの意味を命題レベルで明らかにする方法である。” P25
例を挙げる。
A. 彼には義務が課されている
B.義務を怠ると彼は苦痛を経験することになる
義務については、前回書いたようにまず名詞の分類から入る。
義務は物質ではなく観念的なものである。ゆえに現実的実体の名前ではなく「フィクション的実体の名前」である。
後者の場合、パラフラシスで有用性のある名詞か、または無意味な名詞なのかを分類する。
Aの命題を「現実的実体を主題とする命題に変換する」と、Bになる。(本書の例に則して)
「苦痛」とは現実的な「実体」とされるから「義務」という名詞のフィクションの意味が明らかになった。
よって「義務」は「有用性」のある名詞(=架空の名詞ではない)ということが判別された。
という具合に、ベンサムは名詞を振り分けて考察を行った。
というのは、ベンサムは認識の成立と発展にはフィクションの存在が欠かせないと考えていたとされるからである。
・・・
言語は世界を説明するために存在するのか。「言語ー世界」はどういう対応関係にあるのか。言語は不変かつ普遍性をもった、世界を説明するものとしての言語、つまり「真理対応説」に即するのか。ベンサムは「真理対応説」をどう受け止められたのか。
結論から書くとベンサムは「真理対応説」を否定した。
“ベンサムにとって言語とは、「我々に現実の模写を提供するのではなく、我々自身の諸目的に資するべく現実を把握し、操作するために必要な道具を提供する」ものであった。” P43
このような道具主義的な言語観はアメリカのプラグマティスト、リチャード・ローティと同じ考えだとされる。
プラトン『ゴルギアス』では、弁論術は詐欺とほぼほぼ同じだとソクラテスによって暴かれた。
このような言語観のなか、どういう流れで理論を詰めていくのか。自分には想像がつかない。
もう少し読んでみたい。
公開日2023/11/8