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日記
政教分離のつづきを読み進めた。
今日は信仰の自由と宗教法人法について学んだ。
“原則として言えば、信教の自由(そして思想信条の自由や結社の自由)は、民主主義の憲法の根幹をなすもので、こうした教団にも適用される。例外は許されません。法律を破ってもよいという信仰や思想が現れても、それを頭のなかで考えたり、人に話したり、出版したりしているだけなら、まったく自由です。” P135 (『橋爪健三郎の政治・経済学講義』)
“宗教法人法には解散の規定がありますから、犯罪が組織ぐるみできわめて悪質な場合、教団の解散を命令することもできます。” P135 (『橋爪健三郎の政治・経済学講義』)
橋爪氏によれば、たとえ危険思想を持っているカルト集団がいたとしても、むやみに強制捜査を行えば自由の侵害になりかねない。「違法すれすれ」だという。
あくまで実際に行動に移したかどうかで違法性が決まる。
権力と自由のせめぎ合いというものを考えさせられた。
ちょうどタイムリーな話題として私人逮捕系Youtuberがあげられる。
前にも少し書いたが、強制収容所の心理に通ずるものを感じてしまう。
報酬が動機となって囚人たちがお互いに監視し合い、密告を行うことで報酬が得られる。
私人逮捕系も報酬が動機となって、警察に報告することで間接的ではあるが、結果的に対価が得られる。
1960年代の若者は機動隊と殴り合いをした歴史があったが、今は警察と殴り合いどころか、仲良くやっている。良くも悪くもここまで時代は変わったのかと思ってしまう。
監視社会のメカニズムが深いレヴェルで働いているとしか思えないのだが。もしくは自己家畜化である。
いや、たしかリチャード・ランガムによれば、監視社会が自己家畜化の原因だったはずだ。
法の奴隷。損得マシーン。言葉の自動機械。
宮台氏の理論が見事に私人逮捕系に当てはまるのが面白い。
自戒を込めて言うが、恐らく彼らも深いレヴェルで自由の意味を分かっていないのかもしれない。
・・・
池田晶子は死語について語った。
これが非常に的を射る言葉で、考えさせられる。
「絶対的な真理などない」というのは価値相対主義者の常套句である。
(彼らは「価値相対主義でなければならない」という意味では絶対主義者のようなものであるが)
真理はない、とどれだけ言われてきても、「真理」という言葉は消えない。
これは、人間がいかに「真理」という言葉に執着のようなものを持っているのかということの裏付けである。
「ガングロ」は明らかに死語になりつつある。
もう「存在しない」からだろう。
であれば、真理が存在しないと分かれば誰も「真理」などと口にすることもない。
池田晶子の哲学は、存在というものを思考の土台として据えているように思う。
そうでなければそれは哲学ではない、と語る。
ベンサムも言葉と実在を政治原理に組み込もうと試みた。
言葉というものを軽視すれば、自らの価値を貶めるということを忘れずにいたい。
公開日2023/11/22