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日記
社会学のコーナーに行くとフェミニズム系の本が非常に勢いを増しているように思う。『男はクズと言ったら性差別になるのか』という本が置いてあった。ここまでくると、なんとも言えない気分になってくる。
上野千鶴子氏の新刊を立ち読みした。内容は思い出せないが、いまいち共感できない感触を抱いた。
リベラルと括るのは簡単だ。しかし、なんだか過激になってきているように思えなくもない自分がそこにいた。
絶対に男を許せない、なにがあってもだ。そういうエネルギーを感じさせられる。この怒りの正体がなかなか掴めない。当事者ではないから当たり前だと言われればそこまでかもしれない。しかし、この過渡期の分断とも思える状況に、自分は何も思わずにはいられない。『リベラリズムとは何か』はその違和感を少しでも解消できればいいと思い読むことにした。また、福祉国家は自分の仕事と関係のあるテーマでもある。先ほど読み終えたジョン・スチュアート・ミル『自由論』とも重なるテーマだ。
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『リベラリズムとは何か』
メモ
ネオリベについての一応の定義
“主に二〇世紀後半の産物であるネオリベラリズムは、人間の幸福な暮らしが社会全体に広く育まれるよりも、競争的市場と個人的な進歩をもたらす有益な結果をことさらに強調する。” P13
リベラリズムの思想はバラバラで曖昧
“リベラリズムはヨーロッパ由来の信念が集まったものから始まったのであるが、この大陸のなかでさえ、含意された意味が存在しないのである。” P22
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『ニ-チェ全集 (5)』
メモ
“十五分だけ早く。ーーー見解が自身の時代を抜きでてはいるが、それもただすぐ次の十年の俗見を先取りしているにすぎないような人が、ときおりみうけられる。彼は世論を、それが世論となる前にもっている、すなわち、彼は陳腐になってしかるべき見解に、他の人々よりも十五分早く抱き着ついたのである。しかしながら彼の名声は、本当に偉大な人々や卓越した人々の名声よりもはるかに高いのが常である。” P287
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『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』
メモ
“誰もが公正に配慮しているが、それは大きく分けて二種類がある。左派は、公正を平等としてとらえる場合が多いが、右派は比例分配として考える。比例分配を重視する公正さとは、「結果が不平等になろうと、報酬は各人の貢献度の度合いに応じて配分されるべきだ」と見なすことである。” P224
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公正に関しては、どちらが(平等の分配か、比例分配か)社会を進歩させるのかを定量的なデータで示すことはできないのだろうか。そういう研究があっても不思議ではない気がするのであるが。
何事も、ある程度データが取れているのだろうから、こういうところは感情的にならずに、というふうにはいかないのだろうか。そういうことを考えながら本書を読んだ。
ミルは自由について、他者へ危害が加わらないのであれば好きにさせるべし、と書いていたが、国家という権力装置が金銭などを分配せざるを得ない今日の社会は、たしかに全体から合意をとるのは難しいと想像できるが、なにが最善の手なのかまだ結論すら見えないのだろうか。
ある程度平等な分配か、比例分配か。これだけの観点でさえもハッキリとした答えがない政治の世界は恐ろしく複雑で、自分は考えるのが怖いくらいである。ひとまず最後までは読んでみたい。
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柄谷氏と中上氏の対談は読んでいて面白い。
柄谷氏のフーコー、バルトへの批判が印象的であった。彼に言わせれば『ドイツ・イデオロギー』の焼き直しのようなものであるそうだ。今日本屋で『ドイツ・イデオロギー』を立ち読みしてみた。そこそこ読みにくい本であった。
メモ
柄谷「世界の初めは意味なんじゃないかっていう考えは、バカにはできない」
≒池田晶子「意識が初めにあって、そこから人間が生まれたのだ」