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読書日記1230

ヴォルフガング・イーザー『虚構と想像力 新装版』法政大学出版局 (2023)

■一般財団法人 法政大学出版局

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その他数冊

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日記

バスに乗っていたら何故か円の表面積を暗算で求めてみようと必死になった。

理屈では分かるが、直感ではいまだに納得がいかない。

方程式を積分すると面積が分かったり体積が分かったりする。

微分についてもいまだにいまいちパッとしない。

理屈では分かる。limの下にh→0と書いてあって、こうやって計算すればこうなる、というのも分かる。

でもやはり、どうしてもパッとしない。数学のセンスのなさに絶望した。

能力が中3で止まっているのかもしれない。

・・・

『虚構と想像力』

あまりにも難しすぎた。もはや何について論じられているのかすら掴めなかった。

明日以降再チャレンジ。

・・・

『ロマン主義』

こちらは何故か前者とは違い幾分かは読みやすい。

今日はゲーテと交流のあったシラーについて読んだ。

読んでいて、シラーは分業によって人間性が失われていくことに危機感を抱いていたことが伝わった。

加えて、シラーは芸術について「それ自体が目的であることでなければならない」と考えていたことが伝わった。

36項前後は示唆的な文章が多い。

“愛情には愛情を、友情には友情を、芸術は芸術を欲する。その際に別の目的が果たされることも当然あるにせよ、それを意図してはならない。”

“有益性は時代の大いなる偶像であり、力ある者は誰しもその賦役に従事し、才能ある者は誰しもそれに忠誠を誓わなければなりません。この粗雑な天秤の下では、美術の精神的な功績にはなんの重みもなく、一切の激励も奪われて、世紀の騒がしい市場から消えていくのです。” P36 (『ロマン主義』)

そして幾人もの識者を悩ませた何回な文章をメモ。

“人間は言葉の十全たる意味において人間である場合のみ遊ぶのです。だから人間は遊んでいる時にのみ完全な人間なのです。” P35 (『ロマン主義』)

現代の作家はまず賞を取らなければペンで食べていくことができない。

実力を先に見せなければならない。

かくして生活のための、賞のための作品が量産される。

それを人は大衆小説と呼ぶわけであるが、シラーを読んでみると、分業のなれの果てがこの今の出版業界によく表れているように感じた。

そのなかのごく一握りの作品だけが読み継がれていくのだろう。

不可能に近いが、自分もいつかはそのような作品を書いてみたい。

いきなり長篇は書けないので、明日からコツコツ短編を量産することにした。

つづく

公開日2023/12/17

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