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その他数冊
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日記
『ヴェトナム (上) 』
詳細は分かりかねるが、フランス側が明らかに苦戦を強いられている様子が伝わった。
ひとまず1954年にスイスで開かれた会談によって合意されたジュネーブ協定に関する章までを読み終えた。
メモ
“一方、イギリスはそうした状況を違う目で見ていた、彼らはインドシナに関わることを一貫して拒んでいた。なぜなら、この地域一帯に死活的利益はないと見切っていたから。西側は現在、ヨーロッパにおいて、ソ連と対抗することで手いっぱいであると彼らは信じていた。一方、ソ連と中国は、いまや社会主義の仲間になった北ヴェトナムに、ある程度の支援を提供するつもりでいた。ただ、アメリカが南ヴェトナムを資本主義のショーケースにする試みに失敗したら、中ソ両国はひどく愉快に思うだろうが、彼らは別段、インドシナを東西対立の主戦場にするつもりはまったくなかった。” P158
少しずつヴェトナム戦争の輪郭が自分のなかで出来上がってきた。
本書を最後まで読めば、白人側目線で作られた映画『地獄の黙示録』の内容との相違を感じるかもしれない。
・・・
『マーティン・イーデン』
イーデンの知的冒険が始まった。
図書館の楽しみを一回味わうと止まらない。このブログをやり始めた頃の自分と重ねながら読み進めた。イーデンは文法があまりにも出鱈目でルースに文法からやり直すことを諭される。(イーデンはyou wasといってしまったり、It don’t といってしまう)
イーデンの熱量にこちらも熱くなる。
・・・
『現代認識論入門』
ゲティア問題なんてものを知る意味なんてどこにあるのかと思ってしまうが、やはり面白いので読んでしまった。
ゲティア問題とは「正当化された真なる信念は知識か?」という問いである。
これを分解すると、
知識 (Knowledge) = 正当化された (Justified) 真なる (True) 信念 (Belief)
略して、
K=JTB
になる。
これは正しいか?という問題であるが、ゲティアによって例外が二つ提出される。
ひとつだけ書き残す。
まず、スミスとジョーンズがいる。
次に命題二つを持ち出す。
P:就職するのはジョーンズであり、かつ彼はコインを10枚持っている。
Q:就職するものはコインを10枚持っている。
スミスはあらゆる情報から、ジョーンズがコインを10枚持っていることを知っている。その証拠もある、とする。
スミスは命題Pと命題Qを理解したうえで、スミスは命題Qを真とみなした。
(P⇒Q ∴QはPにとって必要条件 PはQにとって十分条件)
(∴Pが成立していれば、そのことだけでQも成立する)
正当化された真なる信念は成立する。
しかし、実際にはスミスがコインを10枚持っていて、就職するのはスミスだったと判明する。
そうなれば「K=JTB」は成立しなくなる。
正当化された真なる信念が間違うこともある。じゃあ知識ってなんなの?となる。
というのが一つ目の問題点とされた。
自分は端的に、これは物事を単純化しすぎているから起こる問題だと思ったが、この問題に関することでこのあと200ページにもわたって考察がなされるところを見ると、どれだけ暇なんだと思ってしまうが、とりあえず追えるだけ追ってみたい。
ベンサムの還元主義を学んで自分は言葉の曖昧性に問題意識が移った。
そこは確率の世界であり記号の世界であり論理の世界であり因果の世界があった。
取り組もうと思えば途方もない数の課題が目の前に降ってきた。
ラッセルの哲学をどこまで追えるか。
それくらいは頑張りたい。
つづく
公開日2023/12/8