■株式会社青土社
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その他数冊
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日記
『ラ・ボエーム』
300項強までたどり着いた。
いろんな偶然から詩人、音楽家、画家、哲学者が集まってひとつの部屋でわいわいやる。
恋愛の話ばかりで、フランス人はお盛んなようで、と思いながらだらだらと読んでいた。
芸術家たちが集まって、深い話でも展開されるのかと期待したが、トーマス・マン『魔の山』の思想小説とは趣が違うなと思いながらも、ひとまず読みやすいので最後まで読んでみたい。
性にオープン(に見える)なフランスが、それとは対極的に見える哲学が盛んな文化が自分には不思議に思える。
・・・
『大読書日記』
定期的に本の本を読みたくなる。
本の本の魅力は、新刊書店ではもう見かけない、少し古い本について詳しく書かれていることが多い点にある。
本当に良い本は売らずに家に取っておく人が多いかもしれない。古本屋ではそんな貴重な本に出会えることはおそらく滅多にない。図書館へ行っても閉架書庫に眠っている可能性も高い。
だからこそこういった本がある意義がある、と自分は思う。読んでみると意外な発見があるのものである。
“西暦八00年に始まり一三00年頃まで五世紀間続いた地球温暖化がヨーロッパに豊饒な実りをもたらしたことはよく知られている。” P376 (『大読書日記』)
いや、自分は知らなかった。
氷河期が20回繰り返し起こっているという説については『銃・病原菌・鉄』で触れたことはあったが、温暖化にもサイクルが短期間で起きているというのは意外であった。
いま起きている温暖化もそういった全体的なプロセスかもしれないと執行草舟氏も言っていた。
“「スミスにとって、人間の『弱さ』だけが社会の繁栄をもたさすというマンデヴィルの考え方は誤謬にすぎなかったが、社会の繁栄の基礎に『弱さ』が入り込んでいるというのは真理なのであった。(・・・)『弱さ』は放任されてはならないが、完全に封じ込められてもならないのである」” P380 (『大読書日記』)
堂目卓生『アダム・スミス「道徳感情論」と「国富論」の世界』という本からの引用になっている。
アダム・スミスはいまだに様々な本で引用される。
これを機にアダム・スミス『道徳感情論』を購入。
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Youtubeを観ていたらヴィーガンに関する番組が目に入ったので最後まで観た。
一部の過激派がいるために、ヴィーガンが叩かれる社会的な風潮がある。
こういった動画も併せて観た。
何も考えずにヴィーガンの自己矛盾を嘲笑し、馬鹿にする風潮を自分は好まない。
社会全体が矛盾しているのだから、大局的に観れば批判する側も必ずどこかで矛盾した社会的活動(仕事など)を行っているはずなのである。それを棚にあげて弱いものいじめをしているように自分には思われた。(二つの動画は、ともに活動家の人は、場にいる大勢の人数に対して1人しかいない、、、!)
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ざっくりまとめると、
・化粧品は動物実験のうえに成り立っている⇒Abemaのヴィーガンはそれを見逃している⇒見えていないことを勉強する努力をしていない⇒自分が主張していること(もっと現場を観てください)の説得力が薄れる
・(下の動画)産業構造を変えたいなら代替案を示さなければならないが、ヴィーガンは示せなかった
に尽きる。
細かいことは割愛したい。
しかし、自分はヴィーガンの主張にどこか違和感を感じたが、否定はしたくない気持ちにもなった。
AbemaもAbemaで、なんだか建設的な方向に持っていけていないファシリテーターに違和感を抱いた。
それほど議論は難しいということなのだろうか。
議論する機会が大幅に減ってしまったので、こういう動画を観ると勉強になる。
つづく
【2024年の追記】
その後自分はピーター・シンガー『動物の解放』を真面目に読むことにした。
「動物は苦しんでいます」「いやいや(嘲笑)」の場面を思い出すが、これは聞き手の勉強不足の面もあるかもしれない。
しかしながら、ファーストフード店で他人を不愉快にさせるような街宣行為はミル『自由論』に言わせれば有害という意味であまりよろしくないかもしれない。
いろいろと考えさせられる動画であった。
公開日2023/12/25