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日記
今日は井上達夫氏の本が一番楽しく読めたように思う。モンテーニュのエッセイはところどころ抽象的で、仕事終わりの脳みそには少々手厳しい文章であった。
井上氏じゃリベラルと正義論(ジョン・ロールズヤノージックなど)を関連付けて語ってくれるので、そのあたりを多少学んだ自分にはちょうどいい難易度で、なんだかんだ良い本だなと思える一冊であった。
「強制」という観点(主権命令説)から、国(「税金を払え」)と強盗(「金を出せ」)のどこが違うのかという問いかけは面白いものであった。
国は自分の価値観に合わない法律も受け入れる。しかし強盗はそうはならない。
前者は正義欲求があり、後者は無いと井上氏は語った。
・・・
メモ
フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』⇒人間の思想闘争において、リベラリズムが勝利したと宣言した本
それに対する井上氏の見解
“しかし、あれは、リベラルな正義論を推進したというより、かえってリベラリズムが何であるか、わからなくした。ではそこで、何がリベラリズムの核心なのか、リベラリズムの何が守られるべきかということになると、フクヤマは納得できることを言っていない。” P115
井上氏の本『他者への自由』の問題意識について
“自分の作者に対する要求や行動が、自分の視点のみならず、他者の視点からの拒絶できないような理由によって正当化できるか、それを批判的にテストせよ、自己吟味せよ、と。この視点の反転可能性の重要性を『他者への自由』あたりから強調しています。” P122
つづく