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日記
文庫が人気なのは分かる。片手で読めるのはありがたい。自分もさすがに電車では分厚い本を読む元気がない。
通勤中に読めるのはせいぜいソフトカバーの単行本くらいだ。ハードカバーは片手では読めない。なので自然と手に取るのは文庫になる。
今日はひたすら高橋和巳の『憂欝なる党派 上』に読みふけった。何回も書いているが、本書の後半に老人と正義論について語るシーンが最も印象的である。高橋和巳本人はどちらの立場をとりたいと思うのだろうか。
マキャベリが考えたように、異なる価値体系は弁証法的に、建設性のある方向に歩み寄るのではなく、衝突しては終いにどちらかが砕け散ってしまうのだろうか。
主人公の西村は、物語のなかではエリート主義でやや差別的、かつ冷静で機械的な人間に見えるが、意外にも繊細であったりする。重みがある小説なので気分によっては読めない日がこれから来るかもしれない。今はちょうど波長が合う時期なので、今のうちに読んでおこうと思っている。
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『徹夜の塊3 世界文学論』
ジュンク堂に通うようになった頃に一度購入した本であった。当時の自分はあまりに文学に対して無知であったため、あまり面白く読めなかった。しかし今は嗜好が変わり、哲学書から文学書に傾きつつある。哲学では人間の限界点(正義・言語・認識など)について非常に学びがあったが、社会全般・人生全般についてはまだまだ思慮が足りないのが今の自分だ。そこは文学書が必要で、いろいろな問いを引き出すために文学書を読みたいと強く思い始めた。
高橋和巳の本につかれたあとは本書を読み、文学の講義を受けているつもりで文学の世界に浸った。
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『エセーⅡー思考と表現』
ようやく一巻、二巻が届いた。中公クラシックスは全体的に値段が高いので中古に頼らざるを得ない。
こういうときはamazonに感謝である。もったいない本舗とバリューブックスにはお世話になっている。
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メモ
“わたしは新しいいろいろな本にはあまりとりつかない。昔のいろいろな本のほうがいっそう充実していて手ごたえがあるように思われるからだ。(・・・)最近のものでは、ボッカッチョの『デカメロン』と、ラブレーと、それからこの部類のところへいれなければならないとすれば、ジャン・スゴンの『接吻』が、時間をかける価値があると見る。” P170-171
“本で勉強することは、力の欠けた弱々しい運動で、ひとをすこしも興奮させない。これにたいして、意見を交わすことは、ひとを教えると同時に訓練もする。” P416