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読書日記1266

    福田恆存『人間の生き方、ものの考え方』文春学藝ライブラリー (2019)

■株式会社文藝春秋

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日記

今日は執筆メインで、あとは書店をうろうろしていたのでそこまで読むことはできなかった。

『感情教育 下』は200ページほど読み進んだ。塵も積もれば上巻合わせて800ページ弱。

外国文学のコーナーと哲学のコーナーはいつ見ても楽しい。

・・・

『人間の生き方、ものの考え方』

言語道具説について福田恆存が語った。

職人は道具を誰よりも大切に扱い、物質と精神が出会う場所としての道具、という考えに立つならば、およそ言葉というものもそれに近いので賛成する、というのが福田恆存の考え方であった。

自分は少し違和感を感じてしまった。

自分はメルカリの梱包にハサミを使うが、ハサミを言葉と同じ次元で扱うことはない。

代替可能性という点では、ハサミは壊れれば替えがきくが、精神は壊れたらもうおしまいである。

人間は言葉でできているとよく言われる。思考の形式と言うべきか、また、論理の形式、認識の形式、これら全て言葉なくしては成立し得ないという点では、自分は言語道具説を受け入れられない。

もしあるとするならば、それがむしろ文学者ではないだろうか。

誰よりも言葉に対して重みをもって扱うという点において。

とは言いながらも、本書は読みながらいろいろと考えさせられるので良い本だと自分には思われた。

問題なのは読んでも考えることのない本のほうである。

そういうものを悪書だと自分は考える。

つづく

公開日2024/1/17

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