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日記
午前中は『悪霊 上』、『世界文学論』を読み、午後は書店をうろうろしながら、帰宅中やカフェはで『有害な男性のふるまい: 進化で読み解くハラスメントの起源』を読んだ。
定期的に書店に行きたくなる病に罹っていることを改めて認識。平日は都心へ行けないので尚更であった。
全体的に書籍が少しずつ、見えない速度で新陳代謝をしている。ルリユール叢書(外国文学)の一部は去年見かけた本が本棚から消えている。本当に読みたくなったときは躊躇せず買っておかないともう手に入らない。タイトルを忘れた本であれば尚更だ。
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読書とは関係ないが、半年ぶりに明晰夢を見た。ハッキリと視界が開けていて、かつ「これは絶対に夢だ」と夢の中でつぶやいた。夢の中は基本的に物語がぐちゃぐちゃしていると思われがちではあるが、一定の秩序は存在する。触覚、物質の質感はそれほどリアルではないが、無でもない。脳は本当に驚異的な、神秘的な器官だと改めて実感。「頼む、楽しみたいから消えないでくれ」と夢の中で自分は願った。感覚的には5分くらいで、世界から見事に消えた。消えたのは夢ではなく、自分だった。という解釈はFFX(ゲーム)のティーダのそれと同じではあるが、それに近い感覚を覚えた。こんな神秘体験をすれば小説くらい書きたくなるだろうな、と考えれば、幻想小説が生まれた源泉が分からなくもなかった。
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『徹夜の塊3 世界文学論』『徹夜の塊3 世界文学論』
メモ
超越的・・・常識では説明できないこと ≒ 超自然的
リアリズム・・・超自然的なこと・別次元(超越的なこと)の力の介入を認めない ⇔ 幻想文学
マジックリアリズム(=魔術的リアリズム)・・・超自然的なことも現実の一貫として表現する文学
カフカ・・・非リアリズム作家
宗教文学 ≒ 幻想文学
宗教文学について語るT・S・エリオット
「文学的な価値だけで聖書を楽しむような人たちは本質的に寄生虫であり、聖書が英文学に文学的な影響を及ぼしてきたのは、それが文学として受け止められたからではなく、あくまでも「神の言葉」を伝えるものだったからだ」
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『有害な男性のふるまい: 進化で読み解くハラスメントの起源』
100項まで読んだ。
ある程度のステレオタイプ(女性は男性よりも慎重に異性を選ぶ、男は浮気する生き物だ)は心理学の実験においても事実として提出されている。それを進化論的な言葉に翻訳し直して書かれている、そういった本であった。その意味においては、たしかにアカデミックな本ではある。しかし、自分はところどころに「本当にそうか」と突っ込みたくなる思いもあった。ひとつだけその点を書いておきたい。
私見では、進化論に関する本はよく「コスト」という言葉が用いられる。
例:行為Aから得られる利益が、行為Aによって失われるコスト(=費用)を上回れば、Aは選択される等
しかし、自分はこの言葉が非常に便利なように今日は思われた。
コストという言葉を使わないのは、使うよりもコストが高くつく、とでも言えそうなくらいだ。なんだかトートロジーにようでもある。このことが今日は頭から離れない。その具体例を説明したい。
具体例
A氏はBという女性と付き合ったが、1年後、突然に別れを切り出される。「好きな人ができた」
A氏は絶望したが、一週間も経てば気が変わり、良き思い出のひとつして心に刻んだ。
A氏は一途で、他のどんな女性とも連絡や交流を絶っていた。そんなA氏はBのどんな要求にも答えた。10万円する高級家具を買ってあげたり、5万円する洋服代、月2万円相当の化粧品も買い与えた。A氏はBに心底惚れ込んでいた。(悪く言えば、A氏はBのATMだった)
それでもA氏はBに対して感謝すらしていた。
Q. なぜA氏はBに対して怒りの感情を抱かなかったのか説明せよ
コストという言葉を使えばこんな説明もできる。
「A氏がBに支払ったコストは、Bと共にいるだけで得られる満足感・幸福感をはるかに下回っていた。そのためAは一切の後悔の念や憎悪の感情を抱かなかったのである。」
コストという言葉を使えば、後付けのようにいくらでも生物学的な現象を説明できそうな気がしてくるのであった。
しかし、なぜA氏がBに対して「今まで一緒にいたのは何だったんだ。お金を返せ」と言わなかったのか、コストという単純な損得勘定で説明できるだろうか?そうは思えない。
なにか説明不足のような気がしてならない。
具体例に前提条件が何も提示されていないので仕方がないとは思う。
例えば、A氏は「振られたからと言って、やけを起こすのは男の恥だ」という信念を抱いているかもしれない。
要するに、コストという概念は、なぜ満足感が代償よりも上回ったのかまでは説明できない。
ということを頭の片隅に入れておきながら明日以降も地道に読んでみたい。
つづく