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つづきをよみすすめた。
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日記
『文学空間』
メモ
”本を読むことは天分など必要としないし、そうした生得の特権にすがることを弾劾するものである。作家も読者も、誰ひとり天分を授かってはいない。授かっていると感ずる者は特に、自分が授かってはいないことを感じ取り、人々が彼にあるとする力を自分が全く備えていないことを、全く欠いていることを感じる。そして「芸術家」であるとは、すでにして一箇の芸術が存在しているとは知らぬことであり、すでにして一箇の世界が存在しているとは知らぬことであるのと同様に、芸術作品を読むこと、見ること、聞くこととは、知識よりも一層多く無知を要求し、絶大の無知によって叙任された知識を、前もって与えられる天分ではなくて、その都度、自分自身の忘却を通して受容し、獲得し、喪失せねばならぬ天分を要求するものである。” P268
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『今日の芸術 時代を創造するものは誰か 新装版』
“現代人の生きがいのようになっている余暇の楽しみ、生活の趣味的な部分について考えてみましょう。(・・・)どんなに遊んでも、そのときは結構楽しんでいるようでも、なにか空虚なのです。自分の生命からあふれ出てくるような本然のよろこびがなければ、満足できない。自分では知らなくても、それは心の底で当然欲求されているし、もし、その手ごたえがつかめれば、健全な生活の楽しみが、自然にあふれ出てくるはずです。” P24-25
この箇所を読み、宮崎駿「消費者になるな、生産者になれ」を思い出した。
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『新編 不穏の書、断章』
メモ
“私は家族がいなくて幸せだと思う。誰であろうと愛することを強制されないからだ。こんな強制こそ最も気の重いことだろう。文学的にしか郷愁は覚えない。少年時代のことを想い出すと涙が出てくるが、それはリズムの涙で、すでに散文が入り込んでいる。私はそれを外部にある物のように想い出すのだ。私が想い出すのは外にある物だけだ。少年時代の想い出で、私がほろりとするのは田舎の夕べの静けさではない。むしろティーテーブルの場所、家のまわりの家具の配置、周りの人の顔つきや仕草といったものだ。私が郷愁を覚えるのはそういった絵なのだ。だから、自分の少年時代の想い出にも、他人のそれにも同じようにほろりとするのだ。それはどちらも、私にはよくわからない過去のうちの、純粋に視覚的な現象なのだ。私は完全に文学的な注意を払いつつ、それを知覚する。たぶん、感動しているが、想い出によってではない。それを見ているからなのだ。” P222-223
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『「天皇」の原理』
85項に各宗教の救済の意味が書かれていたのでメモした。
“一般に救いとは、当該宗教がめざす人間最高の状態、宗教的至福を意味する。仏教における救いとは、このうえなきさとりを開いて涅槃に入ることをいう。儒教による救いとは、聖人が天子の位に即いて理想的によい政治を行うことをいう。キリスト教における救いとは、神の国に入って永遠の生命を得るにある。イスラム教における救いとは、コーランをはじめとするイスラムの法を遵守して天国に入れてもらうことをいう。これらに対し、ユダヤ教における救いとは、神の奇蹟による危機の脱出である。” P85-86
仏教、キリスト教、イスラム教⇒個人救済
儒教、ユダヤ教⇒集団救済
以上の前提から日本とユダヤ教の比較がなされた。
例えば土地(日本⇒日本、ユダヤ教⇒イスラエル)が神から与えられた(日本については『日本書紀』)という点で両者は一致しているが、ユダヤ教は「神の法を守る」という条件付きであり、日本は「無条件」という違いが認められるのだという。
また、ユダヤ教の歴史館は「可変」、つまり予言者が新しく現れる余地を残している。この点はイスラム教とは違う。イスラム教はムハンマドが最後の予言者となっている。日本についてはまだ自分のなかでは理解できていない。
歴史観についてはイスラム原論のほうにまとめた。
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天皇をある程度理解しない限り、三島由紀夫の世界観を共有できないので今頑張って宗教史を勉強している次第である。
救われたいとか、悩みがあるとか、そんな低俗な理由で宗教に関心を持つはずはない。
誤解を避けるために加える。宗教が低俗だとは一言も書いていない。むしろ日本人全員がある程度学ぶべきだと思っている。
このブログを見ればわかるとおり、自分は元々宗教に対してある種の嫌悪感を覚えていたくらいなので、そのあたりは安心していただきたい。
(勧誘めいたコメントがたまに来るので、その防止のため以上を書き記す)
公開日2024/2/21