閉じる

新・読書日記135

    D.ヒューム『人間本性論 第3巻〈普及版〉: 道徳について』法政大学出版局(2019)

■一般財団法人 法政大学出版局

公式HP:https://www.h-up.com

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/hosei_up?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

          テリー・イーグルトン『文化と神の死』青土社(2021)

■株式会社青土社

公式HP:http://www.seidosha.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/seidosha?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

その他数冊

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

日記

三連休の最期は身体を休めたかったのでのんびり、読みながら考えながら過ごした。

タオルを忘れてしまったのが痛かった。駅のホームに立つと汗が噴き出る。あれはさすがにまいった。タオルがあるなしではストレスの度合いが異なる。

ふとしたときに、フリーのアナウンサーが不適切発言で契約解除されたという記事かツイートか忘れたが目に入ってきた。

X(旧twitter)は炎上がつきもので、もはや炎上するために存在するのではないかとすら思えてくるのであった。

コメント欄は見るにたえないものが多かった。こういうところにコメントする人は心が休めていないのか、とげのあるコメントが多い。

意見の対立は理解できる。「ちょっとやり過ぎでは」派と、「いや、これは仕方がない」派で分かれた。

しかし当事者が女性ということもあり、女性への攻撃と男性への攻撃の応酬という展開を見せていた。

  

自分が思うに、これは思想の対立ではなく単に感情の対立のように思えた。正論をつかれても論点をすり替えて、いかに相手に有無を言わせない状況に持っていくのかしか考えていないように思えた。

ジョナサン・ハイトの本はこの現象をうまく説明できるか分からないが、ひとまず現代社会の歪みのひとつに感情の対立というものが大きなポイントであることは想像がついた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/08/04/%e3%82%b8%e3%83%a7%e3%83%8a%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%83%88%e3%80%8e%e7%a4%be%e4%bc%9a%e3%81%af%e3%81%aa%e3%81%9c%e5%b7%a6%e3%81%a8%e5%8f%b3%e3%81%ab%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%8c/

   

ジョナサン・ハイトの本もややこしいが、感情についていろいろと考えさせられる本であった。

また、「ロゴス中心主義」vs 「ヒュームの懐疑主義」の対立に関する考察も非常に考えさせられる内容であった。

そしてやはり予想通り(いつか読むかもしれないと書いた記憶がある)、ヒュームについて一度考えてみようと思うに至る。思うに至ったら読むのが自分のやり方である。

  

・・・

『人間本性論 第3巻〈普及版〉: 道徳について』

集中力が足りなかったのと、ちょっと読みづらい点もあり、あまり読み進めなかった。

明日以降、もう少し力を入れて読めていければと思う。

 

メモ

“道徳は常に二番目の区別に含まれるから、それは、われわれの情念と行為に影響するのであり、穏やかで心を動かさない知性の判断の範囲を超えると考えられる。(・・・)してみると、道徳は、行為と感情に影響を持つのだから、理性から引き出され得ないことが帰結する。” P9

  

“理性 [ の働き ] は、真理と虚偽の発見である。” P10

  

ヒュームは「理性は情念の奴隷である」と言っていたと、ジョナサン・ハイトは説明していたが、この引用文を読むと、明らかにヒュームは道徳哲学の理論を構築する際には、理性は感情よりも力がないとみなしているのが分かる。第一印象としては、やや極端な思想のようにも思えた。

  

・・・

『文化と神の死』

メモ

シュライエルマッハー、キルケゴール「人間はいかなる種類の体系へも還元されない」

  

”情動は事物を知るのには妨げとなるという考え方が<啓蒙思想>にあったのに対し、<ロマン主義>では、情動は知へ接近するためのきわめて重要な様式である。” P155

⇒ヒュームはロマン主義者(?)

  

“記述するとは置換することである。ヴィトゲンシュタインがかつて述べたように、ある基盤を思い浮かべるときに、さらにその下の層の別の基盤をすべりこませる衝動にかられないでいることはむずかしいのだ。” P155

  

“ノヴァーリスは、私たちのすべての能力と機能を創造に由来するものと考える。” P158

  

“ウィリアム・ブレイクにとって、想像は、人間存在の唯一真正な様式である。” P158-159

  

“スピノザにとって、自然界は神の身体そのものだった。” P163

  

“シェリングは、<自然>のなかに本源的な創造力、いわゆる<創造する自然 [ natura naturans ] のはたらきを感知する。” P163

  

・・・

個人的なメモ

・時間が価値を規定する

・時間は存在を規定する

⇒若さという価値は本源的には時間に依存する

⇒「存在と時間」にはおそらく多くの、複数の意味がある

  

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

© 2024 ラボ読書梟 | WordPress テーマ: CrestaProject の Annina Free