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日記
『それをお金で買いますか (ハヤカワ文庫 NF 419)』
通勤中、集中力を保存するか、それとも読書をするか少し悩んだ。月末月初は忙しい。
結果としては、やはり読むことにした。
この本があまりによくできているので、読書する気持ちに背中を押してくれたように思う。
内容がとにかくぶっ飛んでいる。
今日は、現役の社員が亡くなり、保険買取りを行っていた会社がその社員の保険金の「全て」を受け取り、未亡人は子供がいるにもかかわらず、何も受け取らずになってしまった話を読んだ。
(本書では「用務員保険」と表現されている。また、保険を買い取ることを専門とする企業も存在する)
読み進めると、一応のところwin-winの関係はあるように見える。
末期がんの患者は死亡した場合、受け取れる予定の保険金の半分ほどを前払いしてもえる。そして買い取った企業は残りの額を、投資した額よりも多くもらえる場合がある。
ただ、「尊厳」を建前上は謳っているが、本音としては客に早く亡くなってもらうほうが利益が出る構造となっている。とてつもないビジネスである。
“従業員は生きているより死んだほうが価値があるという条件をつくりだすのは、従業員をモノとみなすことだ。” P198
“「誰かが私の死を望んでいると思ったことなど、以前はありませんでした。彼らは絶えずフェデックスを送りつけ、電話をかけてきました、まるで『まだ生きているのか?』と言われているみたいでした」”P201
“商品化をめぐる別の事例で見たように、道徳規範の腐敗や締め出しは、それだけでは市場を拒否する十分な根拠とはならないかもしれない。” P212
・・・
マイケル・サンデルの本が衝撃的すぎて他の本の内容が薄れてしまっているように思えてしまった。
とりあえず自分は今ある目の前の仕事に専念しようと思った。
他の本の感想についてはまた後日書いていきたい。
つづく