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新・読書日記195(読書日記1535)

     ジャコモ・レオパルディ『断想集 (ルリユール叢書)』幻戯書房(2020)

■株式会社幻戯書房

公式HP:https://www.genki-shobou.co.jp/about

公式X(旧 Twitter ):https://x.com/genki89476596?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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日記

そうそうたる名前が帯に並ぶ。

“イタリア人に最も愛された大詩人にして、
ショーペンハウアー、ニーチェ、ベンヤミン、カミュ、
夏目漱石、芥川龍之介、三島由紀夫ら東西の文人に影響を与えた
19世紀イタリアの思想家・哲学者レオパルディ──
実存主義に先駆けた、「人間と事物の本性」をめぐる
遺作の哲学散文集。”

  

少し立ち読みした。誇張し過ぎてはいやしないか。

内容を確認しつつ、疑いの目ももちつつ。

1分くらい経って、この著者の洞察力がかなり先をいっている印象を受けた。

この本は都内にもたしかほとんど在庫がないので、思い切って読むことにした。

  

・・・

メモ

(老人は、まだ自分が女性にモテる可能性を持っているという信念を、死ぬまで捨てないことについてレオパルディは抽象的な表現にまとめる)

“(・・・)最も良識のある人間が、反対の状態に収まることも自らを落ち着けることができないゆえに、真実だとみなす物事ーーーこれこそ、この世に存在するものの中で最も嘘で塗り固められた馬鹿げた事柄なのである。また、次の点も忘れずに述べておこう。すなわち自分に都合のよい物事を妄信することを断ちつつ、自分を傷つけないことを信じることについては、老人より若者の方が向いている。なぜなら若者の方が悪を直視する勇気に長け、良心を保持すること、あるいは良心を守るために倒れることに適しているからである。”P94

   

“この世界において、正直さに秀でるのはいかなる人物か。それは、あなたが親しくなっても、その人物に何の面倒を見てもらうことを期待せず、またその人物からいかなる損害を被ることも恐れることがないーーーそういった人物のことである。” P97

  

この97項の言葉が印象に残った。

どことなくカント主義のような、義務論的な構えがみえる。

つづく

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