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万城目学『べらぼうくん』読了+新・読書日記205(読書日記1545)

   松岡正剛『千夜千冊エディション 神と理性 西の世界観I』角川ソフィア文庫(2019)

■株式会社KADOKAWA

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         万城目学『べらぼうくん』文春文庫(2022)

■株式会社文藝春秋

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スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 上』青土社(2015)

■株式会社青土社

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日記

今日は書く時間があまりないので手短に終わらせ、明日に沢山の時間をかけていろいろと書いていきたい。

『べらぼうくん』の後半は感情移入ができる内容であった。

自分も二回しか経験していないが、小説を書いて出した過去がある。言うまでもなく一次選考落ちである。

万城目学氏は、大企業を辞めてから二年間ひたすら書いては応募し、延々と一次選考に落ち続けた。

(そもそもどういう基準で一次選考が落ちたり通過したりするのか、いまだに分からない)

  

絶望と絶望が二乗していくなか、万城目学氏が必死に食らいつくのはもはや執念を超えた、ある種の狂気だと自分には思えた。

モーム『月と六ペンス』のモデル、ゴーギャンを彷彿とさせる。

書きたい、ただ書きたい。何を求めるのでなく、地位を求めるのでなく、ただ小説家になって自分の書きたいことを書きたい。

それだけでは一次選考は通過しない。

何かが昇華し、昇華と昇華が二乗してようやく掴める小説家という職。

正直なところ訳が分からないと思った。

自分の書きたいことを書いて売れる作家(小説家の限りではない)などいくらでも存在している。

にもかかわらず、何故か小説家だけは異様に倍率が高く、求められる水準・技術が定かではない。

こればかりは自分は解せなかった。

しかし、万城目学という、ある種のゴーギャン染みたこの小説家の小説を読んでみたいと思った。

(この本を紹介してくれた島田さんに感謝)

  

・・・

『暴力の人類史 上』

メモ

“のちの世の人びとと比べて、当時の人びとは内なる衝動や感情を隠すことなく、率直かつ直接的に発散した。あらゆることが抑制され、緩和され、計算され、またタブーが自己抑制としての構造に深く埋め込まれている私たちにとってのみ、彼らの敬虔さと交戦性、あるいは残酷さが相矛盾するものに見えるのである。” P143

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