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新・読書日記218(読書日記1558)

アンドレ・ジッド『地の糧』新潮文庫(2023)

カッシーラー『国家と神話(上)』岩波文庫(2021)

執行草舟, 佐堀暢也『夏日烈烈-二つの魂の語らい―』講談社エディトリアル(2018)

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■株式会社岩波書店

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日記

選挙が近いのでYoutubeを観るたびに政党のCMが流れて来る。

世の中、両立不可能なことが山ほどある。CMの言葉があまりに軽すぎて何も言えない。

ある政策が70人は賛成し、30人が反対すれば、もちろん破棄されるのかもしれないが、真実は後者にあるとすれば全体にとっては不幸になるわけであって、公益を保つために多数決というものが常に全体のバランスを保つ柱になり得るのかというのは疑問だ。これは今後も考えてみる意義のある問いかもしれない。

  

多数決と功利主義は親和性が恐ろしいほどに高いので、つねに全体が多数のために存在するような仕組みにおいて、功利主義が秩序の源泉となるのかについてはやはり一度は考えるべきだ。

医療や福祉は国の財源からお金が出ていくので、利害関係(医療法人、厚生省、医師など)や福祉を享受する人間、税を負担する側などのバランスをどう調整するのか。実務レベルで考えていくと恐ろしく複雑な社会の構造にどう立ち向かえと言うのだろうか。よくよく考えると政治家も大変である。

  

・・・

『国家と神話(上)』

メモ

(ノヴァーリス)

“「絶対的なにまじり気もなく現実的なものである。これが私の哲学の枢軸となる。詩的であればあるほど、真実なのである」” p74

  

プラトンの時代には詩人の価値は貶められていたが、カッシーラーによればドイツ・ロマン主義の時代に完全に逆転したという。

詩人はむしろ真実を語るのだと。ノヴァーリスがそう宣言している。

しかしながら、その後のドイツの歴史的流れはあまりに悲惨となってしまった。

  

かといって、『啓蒙の弁証法』では啓蒙思想(理性)によって築かれた合理主義が槍玉にあげられる。

政治哲学を考える際にはこの神話という、西洋独特の文化を学ばないといけないなと思いつつも、人間の限界を常に感じさせられる。

  

スティーブン・ピンカーやジョセフ・ピースなどが、合理的に物事を考えることはできないと著書で書いているが、全くその通りで、なにか人間は勘違いをしているのではないかと考えさせられる。

うまく言語化ができない。

ということで、今日はアンドレ・ジッドや執行草舟氏の本を読んで精神的な時間を作ることにした。

しばらくこのあたりの本を貪るだろう。

つづく

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