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新・読書日記233(読書日記1573)

ジャック・ランシエール『感性的なもののパルタージュ: 美学と政治』法政大学出版局(2009)

仲正昌樹『哲学は何のために』明月堂書店(2016)

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■株式会社明月堂書店

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■一般財団法人 法政大学出版局

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日記

仲正教授の本はやはり読み易い。明月堂書店の本に限ってはもっと読み易い。

読み易いうえに、そこそこ難しいことも語られる。平日にはもってこいの本だと感じた。

70ページくらいまで読んで、最後はパラパラと最後までめくりながら眺め読みをした。

炎上につきまとう、差別的な表現に関する話が印象的であった。

まず引用。

“言葉がその人の心をストレートに表現しているんだったら、哲学や社会学の大問題のほとんどが解決します。” P167

  

この言葉はあらゆる真理を含んでいるように感じた。パラドックスも含まれている。

人は多かれ少なかれ、何かに対して偏見や差別、あるいは差別に近い感情を持っている。

意味(解釈)が幅を広げないようにするような、それでいてシンプルな言葉など存在しない。

シンプルがゆえに、その意味は無限大に膨らむ。なんたる矛盾。

  

なんらかのメッセージに対して、短絡的に解釈をしてはいけない。頭では分かっているが、感情がそれを許さない。

理性と感情の矛盾。理性と感情は一致しえない。言葉と心もまた、完全に一致しえない。

この言葉があまりにも強烈で、ここ数カ月の、もっともインパクトのある言葉かもしれない。

  

・・・

逆算をすれば、あまりに複雑な言説は、実はただひとつのことを言おうとしているのではないか。

そう考えることも可能だ。

『感性的なもののパルタージュ: 美学と政治』

あまりにも抽象的で何を言いたいのか分からない。

ただ、もしかすれば言いたいことは単純なのかもしれない。

つづく

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