ジャック・ランシエール『感性的なもののパルタージュ: 美学と政治』法政大学出版局(2009)
仲正昌樹『哲学は何のために』明月堂書店(2016)
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■株式会社明月堂書店
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日記
仲正教授の本はやはり読み易い。明月堂書店の本に限ってはもっと読み易い。
読み易いうえに、そこそこ難しいことも語られる。平日にはもってこいの本だと感じた。
70ページくらいまで読んで、最後はパラパラと最後までめくりながら眺め読みをした。
炎上につきまとう、差別的な表現に関する話が印象的であった。
まず引用。
“言葉がその人の心をストレートに表現しているんだったら、哲学や社会学の大問題のほとんどが解決します。” P167
この言葉はあらゆる真理を含んでいるように感じた。パラドックスも含まれている。
人は多かれ少なかれ、何かに対して偏見や差別、あるいは差別に近い感情を持っている。
意味(解釈)が幅を広げないようにするような、それでいてシンプルな言葉など存在しない。
シンプルがゆえに、その意味は無限大に膨らむ。なんたる矛盾。
なんらかのメッセージに対して、短絡的に解釈をしてはいけない。頭では分かっているが、感情がそれを許さない。
理性と感情の矛盾。理性と感情は一致しえない。言葉と心もまた、完全に一致しえない。
この言葉があまりにも強烈で、ここ数カ月の、もっともインパクトのある言葉かもしれない。
・・・
逆算をすれば、あまりに複雑な言説は、実はただひとつのことを言おうとしているのではないか。
そう考えることも可能だ。
『感性的なもののパルタージュ: 美学と政治』
あまりにも抽象的で何を言いたいのか分からない。
ただ、もしかすれば言いたいことは単純なのかもしれない。
つづく