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新・読書日記267(読書日記1607)

   

オスカー・ワイルド『オスカー・ワイルド書簡集-新編 獄中記-悲哀の道化師の物語』中央公論新社(2020)

■株式会社中央公論新社

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日記

日曜日で若干燃え尽きたのかもしれない。

今日は珍しく1時間もしないうちにカフェで早々に切り上げた。

とは言いながらも60ページ弱は読んだ。ワイルドの半生を振り返りながら少しだけ獄中記に触れることができた。

自分はワイルドの『ドリアングレイの肖像』の文体、表現力に魅了された。

ワイルドの自由な文体を手に入れたいという欲望が湧いてしまった。

  

・・・

当時のヨーロッパは同性愛に対して強い偏見を持っていたことがすぐに読んで分かった。

ワイルドの面白いところは、それを逆手に、時代を挑発するかのように、その閉鎖的な空気を創造の源泉としたことにあった。

しかし毎日すれすれのところで器用に生きていたワイルドもさすがに国家権力には勝てなかった。

  

・・・

バックオフィスという仕事柄、格差というものが嫌というほど意識させられる。

意識したくもないが、見なければならない情報なので致しかたがない。

今日初めて福祉業界の矛盾を意識してしまった。

相当ひねくれた見方をすれば、福祉業界は障がい者を食い物にしているとみることもできる。

しかしその考え方は偏り過ぎているとあとで反省した。

食い物にしていると捉えることは、自分で勝手に食われる者、食う者と二分していることになる。

その自分に対する嫌悪感が怒りに変わり、怒りはのちに自分の無力さへの自覚に向かい、その後消滅した。

人間をなにかに還元して価値を捉えること、これだけは避けなければならない。

敢えて記録として残すことで、未来の自分に訴えかけてみる。

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