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日記
忘年会が終わって帰宅し、風呂に入ってから少し本を読んだらウトウトしてしまった。
もうちょいしたら起き上がらなければと思っていたが、気がついたら夜中の2時であった。
久しぶりの寝落ちであった。
今日も立岩さんの本を読み、時々ヘアの本を読み、夜は『皮膚、人間のすべてを語る』を読んだ。
50項あたりから皮膚とマイクロバイオームの深い話に突入。
『腸と脳』、『土と内臓』、その他執行草舟氏の数多の本を貪ってきたおかげで細菌と人間の密接な関係性を様々な角度から考えてみることが可能となった。
本は読み方次第でいくらでも楽しく読めることを実感。本は読めば読むほど確実に楽しくなる。一日中本に読みふけっても全く苦にならない。むしろ余計なことを考えたり感じずに済むところ、自分にはしっくりくる休日の過ごし方となっている。
立岩さんの本は動物倫理、生命倫理の深いところに切り込んでいく。社会学者が倫理について語るのは意外ではあるが、障がいと社会学は親和性が高いため、自ずとたどり着いた研究の終着点なのだろう。そう思いながらしみじみ読んだ。
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『自由と理性』
メモ
d’・・・・道徳判断においては、記述的な意味は確かに存在する
u・・・・道徳判断は普遍化可能である
p・・・・道徳判断は指図的である
⇒ヘアによればこの三つは両立する
d・・・・道徳判断は一種の記述的判断である
“dとpと整合しないのは事実である。” P41
“道徳哲学の主たる仕事は、pとuがどのように整合するかを示すことである。” P42
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『人名の特別を言わず/言う』
メモ
(法哲学者、井上達夫氏の論述)
“生存資格無用論(・・・)の立場を貫徹させるならば、あらゆる生命を平等に尊重しなければならないことになるが、実際にはこの立場にたつ人々も、ヒトの生命とヒト以外の生物の生命とを差別的に取り扱っている。”P113
“「倫理判断は普遍化可能である」というのを否定すれば、人々が自分に都合のよいときだけ都合のよい規範を持ち出してもおとがめなしということになってしまう。” P120
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『良い死/唯の生』
メモ
“「延命措置」という言葉は、このごろ最初から悪い意味の言葉になっています。チューブを通して栄養補給したり人工呼吸器をつけたりすることは「不自然で人間らしくない」と思われてしまいます。でも、それは、栄養の補給であり、呼吸の補助です。いくらかでも感覚があれば、おなかはすきますし、喉は渇きますし、呼吸が困難なのは苦しいです。「延命措置」はーーーていねいにきちんと行えば、ですがーーーこのような苦しさを和らげているんです。(・・・)患者の苦痛を緩和する努力を十分にせずに尊厳死を語るのは順序が逆だと思います。” P22-23
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『皮膚、人間のすべてを語る』には様々な仮説が書かれていた。
今日は古細菌に関するくだりが印象に残った。古細菌はまだ謎が多い菌であるが、極限状態では生存可能であることが分かっているらしい。惑星探査機を飛ばす際、この古細菌が他の惑星に持ち込まれないように配慮されているという話には驚愕した。ますます地球外生命体の存在を期待させる。そして、この古細菌が人間に何らかの益を与えていると書いてあった。
また、一度確立され安定化したマイクロバイオームは、皮膚の上においてもずっとその多様性を維持するとか書かれていた。これは腸内に限ることだと思っていたが、皮膚の上においても維持されるというのはびっくりである。想像以上に、否、想像をはるかに越えたことが細菌と人間の間に起こっている。そう考えるとますます人文と科学は融合されて然るべきだと思うに至る。
つづく