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新・読書日記291(読書日記1631)

   

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日記

久しぶりに池田晶子の本が読みたくなった。

“「<私>とは何か」と問うて、「<私>とは脳である」と答えているのは、<私>なのか、脳なのか。<私>を脳と同一しているところのその<私>こそが、ここで問われているその<私>なのだから。これは答えになっていない。” P13

  

”民主主義の悪いところは、誰も彼も同じで、またその同じというのが、ただ「人間である」というそれだけの根拠により、またそれによって求められるところも、要するに快適な生存というじつに浅薄なところにあるわけで、私はあの考え方は好きではない。人間を<魂>として見るなら、民主主義はあり得ない。” P57

  

凶悪事件が起こると犯罪心理学者は犯罪心理学の知見からああだこうだと分析する。

社会学者は社会学の知見からああだこうだと分析する。

池田晶子はその態度にメスをいれる。人間でないような存在を分かろうとすることそのものがナンセンスだと言わんばかりであった。学者の奥底には、物事をなんとか解き明かして見せるという意地があるのだろうけれども、その限界まで分析すれば分かると思っている態度に傲慢さを嗅ぎ取ったのかもしれない。

「わからぬがよろしい」と語っていた執行草舟氏との語りと一致する。

池田晶子と執行草舟氏はどこか似たようなポイントを持っていて、だから自分はこの二人の本をいつまでも読み続けているのかもしれない。次に『脱人間論』を読んだ。

  

少し読んだあとにメモしたのでここに書き残す。

三島由紀夫を筆頭に、偉人たちの文明観はだいたい同じようなもので、それに照らし合わせると現代は秩序が崩壊しているということを語っている。愛は苦悩を一生背負って苦悩とともに考え続けることでようやく掴めるかどうかというものにもかかわらず、現代人は往々にしてそういった苦悩をあまり背負わずに自分は愛を知っていると思っている、そういうところが現代ヒューマニズムにひそむ傲慢なのである。

  

愛を突き詰めるとたどり着くのは自己犠牲である。それは間違いないのかもしれない。

カントは他人を手段として利用してはならないと書いていたが、愛もこれと等しいと思われる。

誰にでも優しいヒューマニズムを全面的に否定できるような立場に自分はいないので、執行草舟氏の思想を全て受け入れることはできないが、アンチテーゼとして、日々反省する材料として、本書は本領を発揮する。

  

疲れた後はブックオフに寄った。

電車の中でポルノグラフィティ『ヒトリノ夜』を聞いた。

恋せよと攻める、この街の基本構造はeasy love, easy come, easy goという歌詞が染みる。

  

ブックオフで『ちょっと本屋に行ってくる』という本が安かったのでこの本を買って店を出た。

青木まりこ現象という、奇妙な現象について書かれていたが、気持ちは分からなくもなかった。

あと、本が水没した際の最適な処理方法について書かれていた。

ジップロックに入れ、袋をあけたまま縦にして冷凍⇒重いもので本を挟んで自然乾燥

  

最近はなかなかレアな本にめぐりあえない。

明日から20パーセントOffになるがあまり行こうとも思えない。

(しかしそれでも行ってしまうのが本好きのサガか)

  

・・・

『唯の生/良い死』

なんだかんだで今日もだいたいこの本ばかり読んでいた。

   

メモ

否定のパターン

A・・・当事者

B・・・障がい、あるいは病気

   

・AとBを含む、全体への否定

・A自体への否定

・B自体への否定

  

立岩さんは世の中のおかしい言説に本気でひとつひとつ反論する。その徹底ぶりは凄まじい。1ページ1ページに魂がこもっている。読めばすぐに分かる。思いつきなんかで書かれている文章などまずない。600ページ弱、鋭利な言葉で埋め尽くされている。この本が生まれるまでいったいどれだけの時間がかかったのだろうかと思わずにはいられない。真面目で誠実、かつ情熱も感じさせられる大物だ。

  

「自然な死」という表現への批判

“「自然な死」とは、人の身体の生命の維持に関わることについて作為することはよくない、人工物を使うことはよくないということだろうか。しかしそうであるとしたら、おかしい。反駁はまずはとても簡単である。人は毎日様々なものを加工したり利用して生きている。目のわるい人は眼鏡をかけて生きている。それがおかしなことだと誰も言わない。それと同じに、息が苦しい人は呼吸器をつける。つけて生きている。私たちは、もっとはるかに些細なことで様々な機器を使っているのに、生き死に関わる場面でだけ人工的なのはよくないと言うのはおかしいではないか。” P173

  

生ー権力について

“権力行使の形態が、殺すことから生かすことに移動したと言われることがある。「無駄な延命」「たんなる延命」が置かれる。「近代医学」は、あるいは医療は(「生活の質」を無視して)ただなおすこと、なおらないのに治療を続けること、そしてただ延命させることを目指していると言う。生命への(お節介な)介入としての近代医療という図式がここで使われる。そしてそれに対する反抗として死が言われる。これは間違っていない。しかし一面的でもある。” P194-195

  

・・・

2024年を振り返って

とりあえず毎日更新できたのは最低限の仕事として、そこはよくできたように思う。

あと369日書けば読書日記を2000回書いたことになる。

せっかくなので2000までは書いてみたい。

読書日記をひとつ書くだけでも5時間くらいの読書時間を要した日もある。

塵も積もれば1万時間。

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