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日記
ワイルドが獄中生活で精神を疲弊させている様子がしとしとと、陰気な空気のなかに身に染みる雨のしずくのように心に浸透してきた。
『ドリアングレイの肖像』の主人公(名前はさすがに忘れてしまった)はやはりワイルドの分身ではないかと、読みながら感じた。
獄中生活で苦悩を抱えながらも、文学的な感情表現、言い回しは健在で、日記自体が文学作品として成立せしめている。
だからこそこのように後世のも読み継がれているのだろう。
雄弁で表現力豊かな、文学作品の泉のようなワイルドの文章を読んでいると疲れがあっても帰宅の電車に色が生まれる。
無機質な、アルミの空間でさえもどことなく図書室の空間にさえ思えてくる。
そういえば昔、電車のなかに本棚を設置すれば面白そうだと考えた覚えがある。
ただ、揺れで本がガタガタ動いてしまうかもしれない。