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ヒルティ『幸福論 第二部』読了

    

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日記

今週は風邪気味の状態が続いている。運動はできないが読書ならできる。ということで、ひたすら地道にヒルティを読み続けた。ようやく二部も最後までたどり着いた。

ヒルティの本を読んでいると、西洋がなぜ近代に覇権を握ったのかが少し理解できる。

詳細には分からないが、ヒルティが文明について、キリスト教なしには成立しえなかった(と記憶している)と書いているあたりは、部分的には真実なのかもしれない。

キリスト教は想像以上に深い。聖書の分厚さからしてそれはそうだろうと思いつつも、ではなぜ東洋の宗教はそこまでいかなかったのか。

小室直樹は仏教を科学的だと書いていた。仏教とキリストでは具体的にどこがどう違うのか、なかなか見えないが、仏教が科学文明を創り上げるきっかけにならなかったのはなぜか。

最後まで読んで、西洋の特異性についていろいろと考えさせられた。もはや自分は幸福を求めてこの本を読んでいない。この本は文明を考える本だと思っている。

ひとつ言えることは、ただ真実だけを追求する哲学と、創造的な生を営むためには何が必要なのかを考え抜かれたキリスト教とでは、個々の行動原理への影響力、社会への影響力が天と地ほど違うということである。

それがよいか、悪いのか。これは正解が見えない。

三部へつづく。

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