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新・読書日記357(読書日記1697)

   

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日記

今日はあまり身体を動かしたり頭をはたらかせず、ゆっくり休んで明日からの仕事に備えようという意識が強かった。

ひとまず朝はカフェで読書をした。

日曜日に人混みに巻き込まれるのは勘弁だったので、昼は本をどんどん出品していこうという運びとなった。

(ちょうど良いタイミングでメルカリ手数料50パーセント還元であった)

まずはメモを。

  

・・・

『幸福論 第三部』ヒルティ

“キリスト教にくらべてストア主義の大きな欠陥は、苦痛は禍いではないという真実にそむく主張を、つねに極端にまで推し進めるか、それとも「最後の手段」として「出口は聞いている」[ 自殺は許されているという意味 ] ということしか知らない点である。しかも、これはこの主義にすぐれた代表者においてすでに幾度となく実行せられたことである。” P147

  

『無用の効用』

(ジャコモ・レオパルディの言葉)

“すべての美、すべての文学にたいして表明される傲慢な軽蔑に、わたしはとうとう吐き気を覚えはじめています。なかでも納得できないのは、人間の知の極地は、政治や統計について知ることにあるとする意見です。むしろ、ソロン [ 古代ギリシア政治家 ] の時代からこの方、戸籍の制度をより安全な形に近づけたり、民衆に幸福をもたらしたりするためになされてきた研究の、ほとんど完璧なまでの [ 無益さ ] を哲学的に考慮するなら、政治や法律の分野における計算だのややこしい議論だのがこんなにもありがたがられている現状に、わたしは失笑を禁じえません。 [ ・・・・・・ ] 愉快なことは、あらゆる有益なものにも増して役に立ちます。そして文学は、これら干からびた学問 [ 政治学や統計学 ] のどれと比較しても、間違いなく、ほんとうに役に立つのです。” P96-97

  

・・・

「役に立たない」という指摘に対して「役に立つ」と言明すること、それ自体を自分は否定しないが、役に立つかどうかという二元的な見方は捨てるべきだと自分は帰り道に思った。たぶんそういうことを何回も書いている。

立岩真也さん風の言葉でいうならば、「役に立たない」というレッテルに人文系は異様にこだわっているようにも感じてしまう。この議論に乗ること自体が何かの罠のように思える。

別の例で言うと、例えば「ルッキズム」という現象について、それを批判することは、ルッキズムという現象があること自体を肯定しているように自分は見える。

ルッキズムという言葉を使う人ほど実は容姿に対して強い偏見があるのではないかという見方になる。だから罠にハマっているように見える。

   

普通の感覚であれば、具体的例に落とし込んで考えていくはずである。そして、相応の事例がいくつも確認されたらようやく「ルッキズム」という言葉の存在を認め、そこから肯定か否定かを決める段階へたどり着く。

文学は一般的な事業と比べてお金にならないのは、ただ時代がそうなっているからという解釈で良いのではと思っている。

無益さにこそ価値がある!という表現を自分は端的に受け付けない。そういうものではないように思う。だから帯の言葉は安っぽく見えてしまう。

それでも前から気になっていた本なので手に取ったが、内容自体は部分的には学びになる。

個人的にレオパルディが好きなのでその章はしっかりと読んだ。

リラダンを読み終えたので次はディドロの小説を読み始めた。

250年前に書かれた小説である。なんという長い年月を経たのだろう。

つづく

   

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