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松下安武『並行宇宙は実在するか』読了+新・読書日記414(読書日記1754)

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感想

『並行宇宙は実在するか』

ビックバン理論には限界があり、インフレーション理論が量子力学と一般相対性理論を統合させられ得る期待の理論であるが、まだ仮説に止まっていることが理解できた。また、宇宙背景放射の重力バージョンも存在する等、新しい知見も得られた。(勿論実際の生活には全く役に立たないが)現代物理学は一般読者にはあまりに難しく、スピンの話等は少し飛ばし読みをせざるを得なかったが、10年前に読んだひも理論に関する本よりは多く情報が詰まっているように感じた。また、一般読者に向けた配慮(難しい数式を多用しない等)が事細かになされ、読んでいて気持ちよく宇宙のことに思いをはせることができた。カントやニュートンの時代は太陽系が宇宙の全てであったが、ハッブルの登場によって銀河が複数存在し、宇宙はとんでもなく広いということが分かった。そして、時代はさらに進み、今度はその銀河が少なくとも数千億存在することが分かり、さらに宇宙が複数存在する可能性が現実味を帯びてきた。つまり、科学の進歩とともに宇宙(確認されている)の大きさもだんだんと大きくなってきている。仮にマルチバースが存在するのだとしたら、ますます地球外生命体の存在が期待される。自分はいると思っている。あまりに巨大な世界が無限に広がっていることは、宇宙が有限で閉鎖的であると宣告されることよりも希望を与えてくれる。無は無いのだからない。初めからあったから宇宙が存在している、そう池田晶子が書いていたと記憶している。無から何かがいきなり生まれたというのは、魔法以外にはあり得ないと自分は考えているので、その延長線上で考えればマルチバースももしかしたら存在するかもしれない。知的興奮に満ちた一冊。素晴らしい本だ。

  

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新・読書日記414

『功利と直観』

功利主義vs義務論の対立は、歴史をたどると功利主義vs直観主義だったのだという。

なぜ義務論へと移行したのか、それを追っていく構成となっていた。ただ、今日は何気なくではあるが、この対立について考えることはあまり建設的ではないと思い始めた。というのも、義務論も功利主義も、幸福というものを前提としている点では共通していると思ったからであった。カントの直接義務、間接義務についてはまだまだ勉強が不足しているのでこれからちょくちょく最近買った本で学んでみようと思う。

  

『その悩み、カントだったら、こう言うね』

メモ

(カント)

“(この人生において)完全性を達成することは義務ではないが、それに向かって努力することは義務である。” P23

『功利と直観』

“主意主義者が主張するように、どんなことであれ神に命じられたことが道徳的に善いとするならば、道徳は神の恣意に基づくもの(相対的なもの)になってしまう。直観主義者はそのことを恐れており、彼らは概して、道徳的に善いからこそ神に命じられるという主意主義の路線を支持した。” P20

『精神障害を生きる』

“リカバリーは、長期の隔離収容、長期の服薬による副作用、離職や離婚、社会的偏見・スティグマ、地域支援の不在、再発と生活破綻による新たな施設収容化、単身化、貧困、孤立、ホームレス化など疫病や障害によって失ったもの(その人らしい人生や希望、誇り)を自らの手に取り戻すことを意味する。” P20

  

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難しい仕事を任され、重圧や叱責によって日々心がボロボロになり、やがてうつ病となってしまった人のインタビュー、物語を少し読んだ。昔より仕事の難易度が上がっているのか、そもそも小中高の教育が不完全なのか、社会福祉が機能不全なのか、情報があまりいきわたっていないのか、それは何故なのか等、いろいろと考えさせられた。その他にも複雑で様々な要因が重なっている。

リカバリーという概念もよくよく考えるとこれも哲学的になってしまう。そもそも善き生とは何か、人生に目的を設定することは意味があるか、無意味か。(往々にして芸術家は人生の目的等を拒絶する)

認知行動療法でスキーマという言葉を知った時に自分は哲学書を読んでみようと思ったことを今でも記憶している。信念というものは、実は社会的なものが多く刻まれていて(オルテガ『個人と社会』にそのことが詳細に書かれている)、自分が思っているほど自分のオリジナリティなものはあまりないのかもしれない。それでも自分という存在はより良き生を求めて今日も強く生きていく。ああ、こういうことを考え、書きはじめたら小説みたいな散文になりそうだ。

  

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・ルソーの『告白』を少しずつ読んでいこうと思い、これから電車のお供にしようと思った一日だった。

・仲正教授の本は分厚いが隙間時間でちょくちょく読んでいきたいと思う内容であった。

  

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