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新・読書日記437

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日記

カミュ『転落』が想像以上にしっくりくる。語り手が自分とそっくり。正義感が強いがどこか後ろめたさを持っている。弱者には優しさを、強者には牙を、へつらいを、忖度を、このスタンスは、自分は社会的に正しいことをしているのだというアピールを暗黙に、黙だけに黙々と、かつ公然と行うことに等しい。これは恥ずべきことではないか、読んでいて内省を促される。そして苦悩。語り手は、酒と女だけが人生だといわんばかりの孤独な、虚無的な生活を送っている。女性にはいろいろと傷をつけ、辛酸をなめ、苦しい思いをいろいろと重ねて来た著者と、血の気盛んな20代前半の自分を重ねてしまう。なぜ転落なのか、まあある程度、凡庸な解釈はいくらでもできるかもしれないが、そんなくだらないことを書きたいからカミュは書いたのだろうか。そうは思わない。でなければ、サルトルはこの本に対してカミュの作品のなかで最もうつくし作品だとは評価しなかっただろう。

そして、ガタリ。少子化と性的退却について『子どもを森へ帰せ』でいろいろと学び、ガタリが近いことを論じているとAIから教わったのでちょっと読んでみることにしたが、抽象的過ぎて意味が分からず、本を破壊したくなった。スキゾ分析という言葉には破滅願望を催させられる。

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