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新・読書日記457(読書日記1797)

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日記

先にメモを書いてしまおうと思う。

“名のみ親しかったスピノザの『エチカ』に惹かれました。これまでE・M・シオランの『生誕の厄災』『悪しき造物主』などの、生の否定<生誕こそが死にまさる真の厄災である>という言葉に深く共感してきました。性は苦痛に充ちた呪わしいもので、良きことがあっても、秤にかければ苦痛のほうが重い。しかし残る生の時間が限られるようになった今、過去・現在の自己を否定せず、受け入れ肯定していいのだという、哲学者・田島正樹の『エチカ』読解に、大きく力づけられるのでした。” P203 (『天涯図書館』)

  

”アリストテレスはさまざまな生活様式を明確に区分したが、その区分では、快楽の生活は大した役割を果たしていない。” P28 (『人間の条件』)

 

・・・

『目的への抵抗』を引き続き読み進めた。積極的自由、消極的自由の話がつづく。大雑把に分けると前者は創造的な行為を指し、後者は「お金がないから〇〇できない」等の「〇〇できない」状態からの自由、の意味である。フーコー『監獄の誕生』の話になり、刑罰の意味合いについて國分教授は語った。今では「移動の自由」が制限されることは苦痛であるという共通理解から、刑務所の檻に入れられるだけで刑罰が成立し得る。ただ大昔はそうではなかったというのが『監獄の誕生』で証明されたことなのだという。社会が「移動を制限すること=移動の自由を奪うこと」は人間に苦痛を与えるのだということに気づき始めたではないか、と國分教授は語った。アガンベンは移動の自由を奪ったロック・ダウンを批判し、炎上を招いてしまったが、移動の自由を、現代人は命よりかは不要なものと認識している。このことを自己家畜化と絡めて論じるのは簡単だけれども、ひとまず言えることは、災害が起きるたびに時代が診断されるということなのである。見えなかったものが急に見えるようになる。これが災害のユートピアだと自分は見る。(レベッカ・ソルニットとは違う意味で)

つづく

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