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新・読書日記476(読書日記1816)

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日記

最近やたらと大きな地震に襲われる夢をみている。そろそろバカでかい地震が首都圏を襲うのではないかと常に頭の片隅にある故か。仕方がない。

今日はある出来事が起きた。これもまた小説にして昇華させていきたい。森博嗣氏が『すべてがFになる』という本を出しているが、自分は「すべてが小説になる」「すべてが読書日記になる」式のスタイルがよく合っていると感じている。何事も、それが読書日記を書く理由に「なる」のである。読書日記還元主義。あるいは小説還元主義。還元という言葉がでてきたので少しだけ哲学の話を。自分は還元主義者ではない。物事は細分化はできるが限界はある。還元主義者はすべてを細かい事物に分けていけば説明可能だと考える人のことを指す。自分はそうは全く思えない。ゲシュタルトという言葉を初めて知ったとき衝撃をうけたことを思い出す。何事も全体は部分の総和なわけがない。ここが宮台真司教授にしていわしめた「世界はそもそもデタラメである」ことの醍醐味なのだ。

  

・・・

『愚行の社会学』

痛快。今日は転職エージェントが企業からお金をがっぽりと吸い上げる話を読んだ。

何事にもいえるか分からないが、ある程度には言える法則がある。それは、競合他社が増えれば増えるほど彼等が提供するサービスの質が落ちていくという現象である。

メモ

“このようにその商品と業界の成熟度ーーー行き詰まり度ーーーが宣伝広告の狂騒状況に現れる。これを私たちは「商品・業況行き詰り第一法則」と命名し、古沼の底から湧き上がるような愚行の泡を探査・発見する簡便なツールとして活用している。ちなみに「商品・業況行き詰り第二法則」は。業界が成熟し、たとえばマンションや自動車のように、他社商品との差別化が容易でない段階に至ると、広告宣伝は「ポエム」(大山顕)になり、商品自体の仕様や能力が語られることがほとんどなくなり、印象世界を醸し出すことのみに注力されるというものである。” P154

  

犯人捜しをするつもりはない。ただ、どこか人間として、社会として致命的な愚行が隠れているかもしれないーーーことを匂わすエピソードが盛り込まれていた。理論年収の2割~3割ほど雇用主から頂くシステムだけでなく、ダイレクトスカウトという新手のビジネスも登場。スカウトできる件数がメニューとして組み込まれており、その金額は個人から見ればかなり高額である。スカウトを送りまくっても実際に雇用されるのはスカウト総数の0.数パーセント以下。やっと雇えたとホッとするのもつかの間、定着率の低い企業ではあっという間にやめられてしまい、数百万をどぶに捨ててしまうことになる。そこに退職代行業者が介入しているケースもあり、彼らがぐるになっているのかとすら著者には思えてしまうと書かれていた。たしかにそう思えなくもないと読みながら思った。「あなたの居場所はもっと違うところにある!!」というメッセージ、よくよく考えると闇が深い。

  

・・・

『アテンションエコノミーのジレンマ』もまた闇が深い。文藝春秋のプライバシー侵害問題。編集長を歴任した新谷氏は、事実がどうかは絶対に重視すると語っていた。たしかに文藝春秋が訴えられたときの返答は「事実に基づいている」「事実であるということに自信がある」が多い印象。自分は当事者ではないので文藝春秋の愚行についてはとくに思うところがない。ただ、他人のプライバシーを茶化し、エンタメ化しなければ雑誌や本が売れないという状況にはいろいろと思うところがある。ヨーロッパではプラットフォーム側に規制が強く、アメリカではプラットフォーム側にはゆるいというか、自由のほうが優先されがちなのだという。とにもかくにも、今は事実よりもエンタメ性が求められる世界になったのだという。文学の言葉に耳を傾けない人間にとっては文学は存在しない。そんな状況。

平成生まれです。障がい者福祉関係で仕事をしながら読書を毎日しています。コメントやお問い合わせなど、お気軽にどうぞ。

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